ダンジョンに行くことになった
今回はひじょ〜に短くなってます
「リオから逃げてきたはいいけど……何しよう?」
そんなことをつぶやいて、途方に暮れていた時だった。
突然誰かに声をかけられたのは覚えている。
けれども容姿は特徴がないのが特徴と言ってもいいほどに、印象が薄くてどんな女だったかは覚えていない。
今考えると、その人はプレイヤーじゃなくてNPCやGMの類だったのかもしれない。
そう、今のこの状況を見ていたらわかる。
見渡す限りネコ、ネコ、ネコ、ネコネコネコネコネコネコネコネコ………………と、ネコで覆われて床も、壁も見えない。
そんな状況になれば嫌でも分かる。
〜三十分前〜
「リオから逃げてきたばいいけど……何しよう?」
僕は広場の中心で頭を抱えて考え込んでいた。
それはよく考えてみれば当然のことで、ゲームもリオに推められて始めたことで何も知らない。
「あのー、何か困りごとですか?」
そんなときよく言う平均的な、悪く言うと平凡で特徴がない、そんな女性が話しかけてきた。
「いやぁ実は、何もやることがなくて困ってたんですよ……どうすればいいですかねぇ?」
「それなら、ダンジョンに行きません?」
特にやることもなく暇だった僕は、秒でOKした……いや、してしまった。