イベントが始まるそうですよ?
催眠術に三十分も使い、大家さんに土下座をしていたせいで、もう9時を過ぎようとしていた。
これも全部……
「「あんたのせいだよ!」しおりお姉様」
「わ、私じゃねぇ! そもそもオメェら二人ともお姉様に失礼だとは思わないのか?」
「敬うに値する人にはちゃんと敬意を払うけど、私からすればあんたにはそんな物いっさ」
「もう一度ぶっ潰されてぇか? 今度は現実だからもっと痛いぜ?」
「ハハァ〜! しおりお姉様バンザーイ、デス」
先程まで威勢の良かったリオが瞬時に土下座をする。
……しおりお姉様がそんなに強かったのか、それともリオがくっそ弱かったのか、どっちだ?
「おい! いま失礼なこと考えてなかったか?」
「い、いやぁぜ、ぜぜぜ、全ぜぇ~ん! ぴゅ〜ぴゅ〜……そ、そんなことよりゲーム始めよ! も、もう9時だし!」
「う〜ん、たしかにゲームは始めたいんだけど……まだ400文字いってないしな……このままだと千文字いかなぞ……」
「僕もうゲーム始めてるね!」
一度何かを考え始めたリオは最低でも三十分、下手すると二時間も没頭するからな……さっさと逃げよう!
「あ! ちょっと待って!」
なにか言っていたが僕の耳には入らなかった。
―――――――――――――――――――――――――――
ユーキが言ってしまってから三十分がたった。
一体何で私はこんなおばさんとお茶をしないといけないんだよ……
「おい! おばさんじゃない! お姉様だ。はい、お・ね・え・さ・ま!」
「はいはい、しおりお姉様バンザーイヽ(´ー`)ノ」
「うむ! よろしい。……ところでさ? これを見てくれよ! 第一回イベントの告知だ。一応グループでの探索型になるんだけど組まないか?」
「あんたは100徹六勇士とでも組めばいいん……めんどくさいからいや!」
誰があんたみたいなやつと組むか! そもそもなんでそんな高圧的な態度で来れるの?
「いやぁ、参加可能人数が一グループに付き三〜五人なんだよ」
「それだったらマツさんとかと組みたいんだけど……」
「なあ、いいだろ? ネタ装備一個持ってるからさ?」
「……いや、それはユーキに聞いて?」
「それがさぁ、まだ荷物が届き終わっ……ちょ、待てよ!」
話を聞くだけ無駄だと思った私はログインするのだった