ログアウト、そして……
模擬戦の後、100徹六勇士の人とはフレンド登録をして別れた。
「ところでリオ、この状況どうする?」
「……どうしょうもなくないか? だってよ〜、まさか5メートルもあるスライムの沼を飛び越えてくるモンスターが始まりの森にいるなんて普通に、考えてありえないだろ!」
眼の前にいるワラエルーというモンスターは倒すために最低でも50レベルは必要らしく、レベル1の僕とレベル30のリオの二人では到底叶う相手ではなかった。
……どうしよう
その時だった。まるで困っていた僕たちを助けるような神様の声が聞こえてきた。
《まず、モモ毛モ・毛モモを装備してワラエルーの、体毛を体の中心から一律3メートル、硬度を最高にしてください。そうすると動けなくなります。その後は煮るなり焼くなりお好きにどうぞ》
僕は【アシスタント】さんの言う通りにした。すると、先程までケタケタ笑っていたワラエルーの顔は見えなくなり、そのかわりに茶色の毛玉が柔らかい地面に突き刺さっていた。
「リオ! いまだ!」
リオは、まだワラエルーに驚いているらしく目をまん丸に見開いていた。
ごめんリオ。今はなりふり構っている暇はないんだ。
パシーン
「いてぇな! 何す」「その話は後でにして! とりあえずあのワラエルーをどうにかして」
「……それもそうか。【ファイア】」
ワラエルーを倒したことによってたくさんの経験値が手に入って、僕のレベルが3、リオのレベルが45になったのは良かった。
でも燃えてる中ワラエルーがケタケタ笑っていたのは気味が悪かった。
《サブクエストはじめの森の笑い声をクリアしました。
笑わセルを入手しました
笑わセル ランク、S 使うと、半径30メートル以内の
人を自由に笑かすことができる。ステータス補正はない
※譲渡、売買不可》
も、もしかしてこれもネタ装備? S級アイテムだし……
「ところでユーキ、覚悟はできてるな?」
リオはポキパキと拳を鳴らす。
「あ〜、イマナンジカナァー? アシタガッコウダカラキニナルナ……なんて」
「いやぁまだ三時くら…………まじか! すまん、私はもうログアウトする」
言うが早いかリオは光とともに消えていた。
「いやぁ、いうて慌てるほ……Oh〜」
モニターを開くと時計は午前七時を指していた。
☆☆☆
僕は慌ててログアウトし、とある事実に気付く。
「今日って、創立記念日じゃん」
「はぁ? …………あぁ〜、そういえば……」
この事実に気付いてしまえばもう恐れることなど何もない!
「「ゲームや……」」
ピンポ〜ン
そういや今日隣に誰か引っ越してくるんだっけ?
いいところでチャイムが鳴りやがるなんて、せっかくいい気分だったn……
「……しおりお姉様」
ドアを開けるとそこにはしおりお姉様がいた。
ちょっとおっぱい小さいけど……。