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追放

「おまえさ、やっぱり邪魔なんだよね」

「わかるなぁ。賢者のくせにまともに魔力もなければ剣もダメ。なんの役に立ってるんだろうねぇ」


 4人組Sランクパーティー『暁の翼』。それが賢者である俺、アランが参加しているパーティーだ。今はいつものようにダンジョンでモンスターを狩っている。


「無能を抱えながらダンジョン攻略するの大変なんだよね。」


「ほんと、ふつうにありえないんだよな。君が僕らと同じ特別職だってだけで反吐が出るよ。」



 何も言い返せない。賢者という職業なのに特別職がもつはずのスキルがない。Sランクパーティーに匹敵するだけの能力も、ない。200年ぶりの賢者であることが職業授与式で発覚した。その後王都の王立学校の特別職コースに入学した。しかし特別職に固有のスキルは発現せず、開校以来初めての最低成績で卒業した。そして卒業と同時にほかの特別職もちと同じパーティーを組まされた。


「それでさー、おれらは考えたわけよ。」

 リーダのグラムがほくそ笑む。勇者職で主席卒業した男だ。

「おまえが消えれば、あたらしく特別職のやつが補充されんだろ?」


 そのことについて考えたことはあった。俺はパーティーから抜けたほうがいいんじゃないかって。明らかにつり合いが取れていない。

「わかった。今まですまなかった。俺はパーティーを抜けるよ。」


「物分かりがいいのね。賢者だから頭がいいのかしら。」

 あざ笑うように聖女のリリーが言う。彼女は次の大聖女との呼び声が高い。


「残念だけど50点だな。」グラムがを剣を抜く。

「おまえには『消えて』もらわないといけないんだよなぁ」


「ちょっと冗談が過ぎるぞ、危ないだろ!」焦って言う。


「物分かりも悪いのか?おまえがぬけるんじゃだめなんだよ。」

 魔術師のウィリアム。氷魔法を自在に操る。俺の足を下から凍らせていく。


「一方的に我慢させ続けられてこっちの気が収まらないんだよ。」


「ごめんねぇ。でも今まで同じパーティーとして我慢してただけでも勲章ものよねぇ」

 リリーが満面の笑みを浮かべる。俺が凍っていく姿を見てどうして笑える?


「とまあこれが俺たちの総意なんだわ。来世はがんばってくれや。」

 そう言い放ちグラムは聖剣を振りかざす。無能だからって、学生時代もいじめられ続け、あげくの果てに殺されないといけないのか…

深い絶望を感じながら、意識が切れた。





目が覚めるとそこは一面真っ白な世界だった。頭に声が響く。


「聞こえているか…」

 どこからともなく話しかけられる。。


「我々はこの世界の創造神だ。まずは謝らせてくれ。」

終わりだ。ついに幻聴が聞こえるようになってしまった。でもそもそも死んだんだっけ?


「我々は魔王を倒すために勇者、魔術師、聖女、その他の特別職を与えている。だが魔族の力は強大だ。そこで『賢者』という職業を追加した。」

それは部分的に正しそうだな。賢者の記録だけ他の特別職に比べて明らかに少ない。


「この職業のスキルは『リセット』、死んでも記憶をそのままに職業授与の日に戻れるというものだ。魔王に倒されてもそのスキルで修正を繰り返す。そうしていつか魔王を倒す。そのためのいわばストッパーのような職業だ。しかし今回はほかの特別職の人選がダメだった。」


「つまりあいつらのせいで必要もないのに、また10歳の職業授与式からやり直す、ってことですか?」


「それに関しては本当に申し訳ない。だが人選はすべて『素質』だけで決めているからな。あのような者たちがいても仕方ない。」


 無責任な発言にいら立ちが募る。仕方ない?そんな一言で人生を決められて、壊されて、それでいいのか?


「もう疲れました。次はほかの人に賢者をやらせてください。俺はもうやりません。」

 心の底からの本心だった。生きている間に発動しないスキルなんて、生きている間は当然役に立たない。スキルなしとしてあざけられ続ける人生を魔王を倒すまで繰り返せ、なんて非情すぎる。


「わかった。それなら他にも能力をあたえよう。」

しぶしぶ新しい条件を提示してきた。ふと思うことがある。


「どうしてそこまでして俺にこだわるんですか?」

 当然の疑問だ。代役を立てればいいだけのはずだ。


「長い時間を繰り返すにはより強靭な魂が必要となる。それを持ちあわせる人間は数百年に一度しかいないのだ。この機会を逃すと次に魔王を倒せるのがいつになるかわからん。」


「寿命で死んだ場合はどうなるんですか?」


「その場合は他の者と同様に死後の世界に旅立つ。」

この返答を聞きある考えが浮かぶ。俺が死んだ段階では魔王軍が優勢だった。と、なれば選べる選択肢は一つだ。


「わかりました。もう一度10歳からやり直すので、代わりにほかの特別職、勇者、魔術師、聖女の能力をすべてください。全部極め切った状態で。」


「そんなことをすれば魂が大きく削られるぞ。『リセット』に数回しか耐えられなくなるかもしれん。」


「大丈夫です。1回で勝てばいいじゃないですか。」

すこし時間がたってから返事が来る。


「魔王にそれで勝てないと思うが、しかたない、なるべく死なないようにしろ。」

どこまで行っても高圧的だな。不快感が募る。


「望み通りの能力にした。そろそろスキルが発動するだろう。人類の存亡がかかっている。心してかかれ。」


 体をまばゆい光が包む。またしても意識が途切れた。





「賢者…こんなの見たことないぞ」

周りから賞賛の声が上がる。瞬時に理解した。本当に10歳の職業授与式に戻ってきたのだ。

「面白かった!」




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