表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
シャドーダンス  作者: 六青ゆーせー
97/99

131

131

巨大な獣が、誠と美鳥を前に、毛を逆立てているのを見て、永田は足を速めた。


正直、足を撃たれたのは二、三時間前だ。

影の治療を受けたとはいえ、激烈に痛い。


が、四の五の言っている場合では無かった。

最凶、と言っていい化け物が、子供二人の前に立っているのだ。


美鳥はプロとして三年のキャリアがあったが、接近戦のプロ、アクトレスを前にして、どうにか出来るというレベルではない。

確かに二度ほど、アクトレスを投げる事に成功しているが、タイミングさえ合えば投げ技は、なるほど子供でも大人を投げることが出来る。

だからと言って、殺し合いになってしまえば、大人が勝つのは必定だ。

真剣勝負は、そんなに甘いものではない。


誠君に至っては、二四時間前に影繰りになった身だ。

一応、二つの影が使えるのは天分の豊かさを感じるし、短期間でそれなりに影を纏えてはいる。

だが、あくまで短期間にしては、というレベルで、本気の格闘戦をする次元ではない。

どうあっても、自分にアクトレスの注意を引き付ける必要があった。



永田の叫びに、アクトレスは瞬時に横に跳んだ。

バリアーを警戒しているのだ。


「壁張り屋かい。

何をトチ狂ってるんだい。

大声出さなきゃ壁が貼れたかもしれないじゃないか?」


嘲笑った。


と、同時に身を沈め、永田の正面まで跳躍した。

跳びながら振り上げた巨大な爪が、永田に襲い掛かる。


ずんっ、と思い音が、トンネル内に響き渡った。


が、永田は肘を上げて、アクトレスの打撃を防いでいた。


永田が、獣の頭部にハイキックを放つ。


これも、ごんっ、と鈍い音を立てるが、獣は微動だにしない。



「そういう奴じゃあ、あたしは倒せない、って知らなかったっけねぇ!」


叫びながら、永田の脳天に爪が落ちた。

が、その攻撃は、アクトレスの下半身が崩れて、爪が横に反れ、コンクリートに突き刺さった。


「暴れないでください!

人質がどうなってもいいんですか!」


誠が叫んだ。


永田と、飛び起きたアクトレスの動きが止まる。


「それは、もしかして…?」


永田が、唖然と誠を見た。


横に膝立ちの大男を従えてる。

膝立ちでも大男の方が背が高い。



「彼は、この男の心臓を握っているのよ」


美鳥が説明した。


「君は、とんでもない影繰りだなぁ…」


永田は頭を掻いた。

アクトレスは動きを止めたままだ。


その背後で、どん、と言う音と共に、真っ赤な炎が吹き上がった。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ