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シャドーダンス  作者: 六青ゆーせー
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「ミオ!

傷を治さなくっちゃ駄目だよ!」


レディは、自慢のベルサーチのスーツもズタズタになり、血の染みをあちこちに作ったミオに男言葉で言った。

ざっと見ただけでも、二十箇所以上、全身に傷が出来ていた。

ボクシングのガードを咄嗟に作ったため、顔だけは無傷だったが。


だがミオは、スーツを脱ぐと自分の傷を確かめて、大丈夫だ、と判断した。


「全ての傷が浅いし、急所も外れている。

問題ないよレディ。

戦いをここまで拗れさせたのは僕たちの責任だ。

今は、事件の終息を急がないと。

追うよ、レディ」


ミオは言い出したら聞かない性分だ。

レディは渋々頷いた。


レディとミオの出会いは三年前に遡る。

その頃のレディは、まだ普通の少年だった。

愛らしい、というよりは、ひっそりとした地味な少年だった、と今のミオは振り返る。

服のセンスは良かったが、わざと目立たないようにコーディネイトしていた。


本当は、女の子の服に目が行ってしまうのだが、それを他人に知られるのは恥ずかしい。

だから髪型も、小学生の様に子供っぽくし、地味なものを選んできていた。


彼は美鳥と同級で、同じように影繰りになるべく浜松町の本部に通っていた。

ダウンジングの能力はその頃からあり、まだ実習生だったが、時折実戦に駆り出された。


それで知り合ったのがミオだ。

ミオは親切で、レディを理解いた。


髪を伸ばすよう勧めたり、愛らしい服をプレゼントしてくれた。

そのことを、迷惑そうに振舞いながらも、レディは嬉しく思っていた。


実習生が実戦に参加するのは任意だったが、ミオがレディを指名するのを、レディは嫌がらなくなった。

ミオも進んで、ダウンジングの必要の無い時もレディを駆り出すようになった。


ある時、必要に迫られ、ミオはレディを変装させた。

少女の服を着せたのだ。

その時のときめきが、レディを根本から変えてしまった。


鏡の前で、レディは泣いた。

自分はおかしいのだと、ミオに告白したが、ミオは笑った。

おかしいのではない、それは個性なのだ、と。


レディの、ミオ曰く個性、という奴は、一気に、それこそレディの影能力、振り子が爆発するように弾けた。


髪を伸ばし、可愛い衣服を買い、部屋の内装まで一気に変わった。

飛行機の模型がぶら下がっていた、男の子の、実際には中一にしては幼稚な、小学生のような部屋が、白とピンクに統一された少女の部屋に変ってしまった。


当然、親と衝突し、挙句、レディはミオのマンションに家出をしてきた。

ミオは嫌な顔もせずにレディの家に出向き、影と性格と思春期の心理学的影響、概ねミオの独創だが…、を力説して、しばらくレディをミオのマンションで預かる、と言いくるめた。


レディはやりたい放題に趣味に走り、今日のレディになる。

学校に行く時と、たまに実家に帰るとき以外、レディは少女で通していた。


ミオのマンションでの、可憐な少女と小柄な男子の二重生活は、姉弟がいる、と解釈され、様々な憶測を生んでいたが、レディは何年間も抱いていた暗い思いが吹っ切れて、生まれて初めて心から楽しい日々を過ごした。


同時にミオの個人レッスンも始まり、レディは美鳥より一年遅れて影繰りになった。

ミオのマンションに移ってからは、世界中をミオと共に戦って過ごしたので、ミオの流儀にもすっかり慣れた。

ミオは、一度言い出したら聞かない。

特に戦闘のアドレナリンが溢れているときは、彼を止める術はない、のをレディは判っていた。


ミオは走った。


近接戦闘型のミオの走りは、遠距離型の痩せた男の走りとは根本から違う。

纏うオーラの量が違うのだ。

オーラの量はパワーの量とも言えるため、アクトレスほどの圧倒的なスピードではなくとも、オリンピック級と言ってもたがわない走力は軽く出る。

レデイも、ミオと一緒に行動する力はつけてある。

ほどなく、ダンサーチームは痩せた男に追いついた。

7月7日、8日は旅行のためお休みします。

14日から再開します。

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