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やれやれ、仕事っていうのは本当、めんどくさいぜ…。
永田は溜息をつく。
調子が悪いとか、ツキがこっちに転ばない、とかで投げ出す訳にはいかない。
なにより、あの先には、誠君と嬢ちゃんしかいない。
最低限、アクトレスを止めるのは、大人であり、現場責任者である永田の役割だった。
めんどくせぃ…。
永田はオーラを纏った。
そして、巨大な獣を追って走り出した。
永田は、決して近接戦闘が苦手な壁張り屋ではない。
昔は、荒事も数知れずやらかしたものだ。
四十も見える頃に襲い結婚をして、すぐに子供が出来ると、世界を飛び回るような荒事が煩わしくなった。
内調に入ったのはその後だ。
だから、実のところ嬢ちゃんや誠君の年頃の子供の考えていることは判らない。
だが、いつか自分の子供も、あのぐらいの難しい年頃になるのだろう。
ちょっとは、その意味で興味深く、彼らを見ていた。
最初、誠を救った時、美鳥に話させたのも、彼らの心の機微が判らないのと同じぐらい、興味深くもあったのだ。
二人とも、しっかりした良い子だと思う。
だからこそ、彼らが傷つくようなことは、大人の永田のいる前で、あってはならない。
永田のくたびれた職業意識が、そう言わせる。
ほんと、めんどくさいぜ…。
永田は、最大速度で走っていた。




