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シャドーダンス  作者: 六青ゆーせー
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美鳥は巨大な獣と対峙していた。

体は、蝶で作った鎧をまとい、防御力を上げている。

そして、いわば影の分厚い塊である蝶の鎧は、彼女の素の肉体よりも、はるかに大量の影のオーラを纏うことが出来る。


つまり、鎧は防御ではあったが、身体の強化にも役立っていた。

だからこそ重さ半トンに近い獣を投げ飛ばすことが出来たのだ。


日本でも、年に何度かは人が熊に襲われる事件が起こる。

大抵は不幸な結果で終わるのだが、まれに人間が熊を撃退することもある。

そんな時、クマを追い払うのは大抵は投げ技だ。


よほど訓練を受けていない人間の打撃技などは、獣の強靭な肉体に通用しない。


野生動物は、投げ技、等は使えない。

使える体の構造も無い。

だからこそ、投げられれば野生の動物は驚き、逃げ去っていく…。


美鳥の鎧は、影の蝶の集合体なので、恣意的に形状を変えることが出来る。

例えば剣や爪のようなものを作ることも出来たし、状況によっては、それを選択することも出来たが、今は素手で戦うことを選んだ。


この巨大な獣に、美鳥の影で作った剣では通用しないし、美鳥に剣道のスキルも無いためだ。


とはいえ、そうそう何度も投げさせてくれる相手ではない。

相手は、獣に変化しているが、人間なのだから。


一度投げられると、獣は美鳥の周りを走り抜けた。


美鳥の周囲には、鎧になった以外も大量の蝶が舞っている。

それに動きを封じられることを警戒し、獣は、走りながら、爪を美鳥に叩きつける作戦に出た。


さながら、闘牛士を角で突飛ばそうとする雄牛のような戦法だ。

両手を広げれば四メートルを超える獣だけに、この攻撃は厄介だった。


最初の一撃は屈んで避け、頭上を走る獣の腕を取ろうとした。


獣が一瞬、ニヤリと笑った。


避けるに遅すぎた。


獣は、爪を広げて切り裂くのではなく、合わせて一本の円錐のように使い、刺すように突き出したのだ。

その分、速度を増した突貫で美鳥の鎧を貫こうとした。


その刺突は、完全に美鳥の胸に向かっていたが…。


瞬間、ぐらり、と獣が揺れた。


「?」


獣も驚いている。


美鳥も何が起こったのか分からなかったが、とにかくチャンスだった。

獣の腕を取り、自ら倒れ込むようにして、獣の重心を崩す。


獣は、頭からコンクリートに叩きつけられた。


一瞬の間をおいて、獣はコンクリートの中に、落ちた。

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