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獣は接近を諦めた。
逆に、観戦者気取りの三人にターゲットを切り替える。
最悪、五人を相手にする可能性もあるが、上手く振り切ってしまえば地下道を逃げて行ける。
それに…。
戦闘力は二人組の方がはるかに上だ。
だが、まず…。
獣は、爆発する振り子を横に避けるのではなく、前進しながら避けて行った。
半ば開いてあった花弁が閉じようとしていた。
防御に徹しようって訳かい?
獣は、爪を振り下ろした。
もう分かっているが、爪は弾かれる。
獣は、その勢いを利用して、バリアーの三人の方向に跳んだ。
空中で回転し、鴉に変じる。
一直線にバリアーに向かって飛行し、獣に戻って、両腕の爪を立てたまま、バリアーに落下した。
時計の秒針が震える暇もないほどの出来事だ。
バリアーの中で、狼狽した永田の顔が見え、獣は心の中で笑った。
力の限り、両腕を振り下ろす。
バリアーが歪んだように見えた。
続いて、半球形だったバリアーが、幾何学的な形状に変化した。
罅が走り、バリアーが砕け始めた時、永田は、背後の二人を抱えて、後ろに跳んでいた。




