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「あれ! どうしたんだろう?
僕、落とせなくなりました!」
誠は驚愕して叫んだ。
誠の唯一と言ってもいい能力が、使えなくなったのだ。
せっかく、いい具合にダンサーチームが攻撃してくれているのに、自分の戦闘能力がなくなるなんて!
青ざめる誠だが、永田と美鳥は、クスリ、と笑った。
「どうしたんですか? 何かあるんですか?」
「あのな、誠君。
何事にも、有効射程範囲ってものがあるわけさ」
「射程?」
「銃だって無限の距離を撃てるわけじゃないだろ?
影も、影繰りから距離が離れるほどに力は弱くなり、効果が無くなる。
誠君の射程は、たぶん十から二十メートルってところだろう。
段々使ううちに少しは射程が伸びることもあるが、なにしろ指切りしてから二四時間しか経っていないんだ。
今は、あれだけ距離が離れていては攻撃は無理なのさ」
「ええっ! 今、落とせれば、丸焦げに出来るのに!」
「きっと、また攻撃チャンスは来るわ。
今は力を温存するのよ」
美鳥が、誠の手を叩いた。




