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シャドーダンス  作者: 六青ゆーせー
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黒い獣は、爪を弾かれた瞬間、背後に跳び、線路の上に着地した。


このパワー、一体何だ?

獣はいぶかった。


この男女の影には、色々謎の部分が多い。

近づけば何かが皮膚を切り裂き、今は、獣の爪まで弾きやがった。

仕組みが想像つかない力だ。


獣の困惑をよそに、ミオの影、四つの花弁がふわりと開いた。


同時に、別の影が空中を飛んできた。

レディの影、破裂する振り子が獣に突き刺さる。


獣は、横に避けた。

至近距離からの銃弾もかわす獣の反射神経に、影の振り子は遅すぎる。


鼻で笑おうとした獣は、愕然とした。


影の四つの花弁から、おしべとめしべが伸びるように、影の振り子は次々と獣に襲い掛かった。


周囲は唐突に、紅蓮地獄に変貌する。


獣を追いかけるように、連続して無尽蔵に爆撃が広がっていく。


こいつは思ったより、ヤバイね…。


獣は思った。


どちらか一方なら、やりようはいくらでもあるのだろうが、こうも見事にコンビプレイを決められると、なかなか近づけない。


そのうえバリアーの三人は、今のところ静観を決め込んでいるように見えるが、いつ戦いに参戦してくるか判らない。


さすがに戦場のブラックドッグでも、一度に五人の影繰りを相手にするのは、少々、厄介だ。


セオリーとしては、どうかして一人づつ片付けるべきなのだろうが、三人と二人は、キッチリ固まっていて、まず、その守りを崩さない限り、各個撃破の機会は訪れない。


一旦引くか?


女は思った。


坊やがわざわざ地下道に籠ったのは、ようは追跡を振り切れない、と見定め、決着をつけるために敵を呼び込んだ、と考えられる。


つまり彼らが最も困るのは、距離を取って、いつまでも追跡されることだ。

獣に逃げられて困るのは、彼らの方なのだ。


こっちが逃げるとみれば、追いかけてでも決着をつけようとするはずだ。


それに、と獣は心で笑った。


そういう状況なら奇襲が使える。

個別に撃破していく機会が訪れるはずだ。


爆発は無尽蔵に続いていく。

一つの振り子が爆発すると、その振り子は素早く花弁に引き込まれる。

振り子が一本なら、そのタイミングで接近も出来るが、第二第三の振り子が空中から獣を狙っているので、回避せざるを得ない。


そもそも接近しても、あの謎の花弁の攻撃撃範囲になるだけだった。



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