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大男はスマホを切って叫んだ。
「青山通りを北上だ!」
バイクに飛び乗り、走り出した。
「でも兄貴、ずっと、そうじゃないだろ。
相手は地下鉄だぜ?」
「知るか!
今は追っかけるっきゃねぇんだ!」
大男は、投げやりに叫んだ。
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「青山一丁目で銀座線に乗り換えます」
誠は、頭の中で各駅の構造を考え続けていた。
「銀座線なら、確か次の表参道でも乗り換えられなかったか?」
永田も、ある程度は地下鉄の路線図程度は把握している。
「乗り換え時間が早いんです。
すぐ登れる階段の位置に移動します」
言うと誠は、電車の中を歩き始めた。
「君は、影を這わせる練習もした方がいいな」
後ろを歩きながら、永田が教えた。
「影を這わせる?」
「つまり、任意の場所に、あの影が出せるようにするのさ。
例えば天井に影が出せれば、君を上の階に引き上げられるかもしれないだろ。
そうすれば、もしかすれば高い場所にも登れるわけだ」
誠たちは一両、電車を歩いて、ある扉の前で止まった。
「天井に影を這わせる…」
誠は、小指から伸びた糸を、座席を経由して天井まで這わせてみた。
「いい感じよ」
美鳥が励ます。
糸の先端から、手が飛び出した。
タイミングを合わせて、誠は影の手を握った。
瞬間、誠は電車の天井を突き抜けて、漆黒のトンネルの中を走っていた。
一度は、して見たかった行動だ。
南方の国などで人が電車の屋根に乗って走るのを、誠は羨ましくテレビで見ていた。
だが、美鳥たちが、心配すると思い、すぐに落ちた。
「想像以上だ!」
永田は呟く。
「影の手は、予想以上に力持ちのようね」
「はい。
したいと思うように動けるようです」
やがて列車は、表参道の駅に停車した。




