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エスカレーターの扉が開くと、ホームの奥で少年と少女が、一人の男と一緒に立っていた。
レディはミオに何事かを言うつもりで振り返ったが、同時にレディの振り子が激しく揺れ動いた。
「いたっ!」
誠たちは、声に振り向いた。
だが、互いの姿を確認する前に、地下駅の照明が連続して破壊されていった。
「あっ! あいつらだ!」
頭がそれに気が付く前に、誠の体から冷や汗が流れ落ちた。
美鳥は囁いた。
「落ち着いて。
影繰りは影を体の中に飼っているのよ。
影に身を任せれば、暗闇の中でも、ある程度の視力は確保できるわ」
影に身を任せる?
それって、いったい、どうすればいいんだ?
美鳥は、誠の胸に手を当てて、囁いた。
「呼吸が早いわ。
ゆっくり深呼吸をするの」
美鳥に任せるしかない。
誠は、ゆっくりと息を吐いた。




