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シャドーダンス  作者: 六青ゆーせー
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「キャハ! 

坊やの匂い、見つけたよっ!

ちょうど、この下を走っているんだねぇ。フフフ」


明治通りを、真っ黒なハーレーに漆黒のレザースーツの女が疾走している。

そのフルフェイスのヘルメットの中から、不気味な笑い声が漏れていた。


「だけど…。

あの、ゲボチンカスも坊やを追っている! 坊やを護らなきゃ!」


女は派手にアクセルをふかし、スピードを上げた。



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レディはタクシーの中で大きな地図を広げ、金の鎖のラピスラズリを揺らめかせていた。


「うん、間違いない。

あの子たちは渋谷に向かうわ」


「運転手君。

最速で渋谷に出られる道を選んでくれたまえ!」


ミオは、前の座席に身を乗り出して催促をした。

それから、声を落として聞く。


「大江戸線は止まってしまったようだ。ちょっとやりすぎたね」


レディは鼻で笑った。


「なぁーに、派手なだけで被害はそんなに出ていないわよ。

それより、あの獣女と、他に男が渋谷に向かっているわよ。

これはどうしたって渋谷で鉢合わせになるね…」


レディは揺らめく鎖を読みながら、言う。


「戦闘は避けられないか…」


「あちらさん次第だけど…」


言うが、レディは相好を崩してゲラゲラ笑い始めた。


「俺は喧嘩上等だぜ!」


ミオは、レディの短いスカートから覗いた足を、軽く叩いた。


「悪い子だ」



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「良治! 渋谷だ、渋谷に直行するぞ!」


大男は、突然、叫んだ。


「えっ! でも兄貴。

どの駅に停まるか判らないんだろ?」


大男は、ふふん、と鼻で笑って。


「見つけちまったのさ、奴の弱点をな!」


「ええっ、スゲェ! 兄貴、あの餓鬼に弱点なんてあるのかっ!」


「ははんっ! 奴は落ちられるが、登れねぇ。

副都心線というのは一番新しい地下鉄だから一番下にあるのさ。

つまりだ。

奴はこれ以上、下には落ちられねぇ。ここまで来たら渋谷に行くっきゃねぇんだよ!」


良治はポカンと口を開けたが、話を理解したのか激しく頷き。


「さすがだぜ、兄貴!

そうだな、もう落ちられねぇもんな。あとは電車に乗っているしかねぇよな!」


「餓鬼も、もう策が尽きたってもんさ!」


ガハハ! と大笑いを響かせながら、盗んだ小型スクーター二台が、渋谷に向かって疾走した。

誰でも、普通に電車を乗り換えられる、という考えは、彼らの頭には微かにも思い浮かばなかった。


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