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「は、なんだって? 落ちた!
おいおい、大江戸線からどこに落ちるって言うんだよ!」
大男は喚いた。
餓鬼の、水を得た魚のような韜晦ぶりに、頭が追い付かない。
「副都心線? なんだそりゃ?
渋谷に行く電車なのか?
でも、途中駅もあるだろ? いったいどうすりゃあいいんだよ!
ん?
判ったら教える、だと!
それじゃあ間に合わないだろっ!」
大男はスマホから耳を離した。
「切りやがったぜ! あのド変態!」
大江戸線新宿駅からの階段を、大男と良治は必死に駆け上がった。
東新宿の火災で、大江戸線は全線が運航停止になってしまったのだ。
「兄貴、どうするんだよ?」
「パクるしかねぇな」
「地図をかい?」
「バイクだよ!
ちんたら電車旅行なんてしてられるかよ!
ポイポイ落ちて一瞬で乗り換えちまう化け物相手によ」
やっと大江戸線の改札を出た二人の目の前にあったのは京王新線。まだ地下駅だった。
男たちは唸り声を上げながら、階段を駆けあがった。




