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シャドーダンス  作者: 六青ゆーせー
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良治は、ああっ! と叫んで、立ち止まった。


「バカ良治、止まるんじゃねぇ!」


大男は怒鳴ったが、良治は誰もいないホームを指さして、気の抜けた声を出した。


「兄貴…。奴ら、消えちまいやがった…」


大男は、はっ、と驚き、階段を駆けあがった。

二人の姿はどこにもない…。


まさか落下に失敗したのか? 俺たちを落とすつもりで、逆に自分たちが落ちてしまったのだろうか?

ここは地下駅だ。

この下には、もう何もない…。


男は、思って階段を振り返った。


大江戸線、乗り入れ口?


んっ、大江戸線?


ま、まさか?

そんなことが人間に可能なのか?


思ったが、奴は走っている自動車から下の陸橋を抜けて、その下にある横断歩道に落ちたのだ、と気が付いた。


ただ落ちるだけで出来る芸当じゃねぇ。大段歩道の幅は五メートルも無いし、後の部分には障害物が沢山あって、落ちれば怪我では済まない構造だった。

下手なところに落ちたら、いくら影繰りだって無傷では済まない。

まだ影も纏えていない餓鬼は、致命的な負傷を負いかねない。下が見えていなければ、怖くて自分が落ちることなど、とても出来ないはずだ。


奴は地面の下が見えている。


考えてみれば、あまりに不自然な場所に立っていたし、列車から降りた時、俺たちを落とさなかったのも計画があったからかもしれない。


それとも射程距離より遠かったのか? どちらかは判らないが…。


「良治! 奴は下の大江戸線に落ちたんだ!」


「ええっ! そんな馬鹿な!」


「だから、奴は凄い速さで進化している、と言っただろう。

野生種なんだよ。

とんでもねぇサラブレットなんだ! 行くぞ!」


「大江戸線にかい?」


「それじゃ永遠に追いつけない。奴はもう動く電車の中だろう。

車で先回りして、新宿のホームで捕らえるんだ!」


大男は全速力で駆けだした。

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