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フォルトゥナ戦記~キモオタだって異世界でモテたい!~  作者: メアー
ギルダム王国式典 前編
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79. 紅の休日①


 折角の休日なので豊、ロシィ、マリーゴールドの三人で、

王都内をお出かけをする事になった。


朝早く支度を整え、宿屋の食事を堪能し、町へと繰り出す。

早いうちから商店は賑わいを見せ、

この時間は、料理屋が材料を求めて買い出しをしている。




 開店していた仕立て屋を覗き、三人は旅用の新しい服と靴を購入していく。


「結局必要なもの買っちまうんだよなぁ〜。たまには出かける用の服とかも買いたいけど、ありえねぇくらい嵩張るしなぁ……」


「マリーちゃん、私のマジカルバックパック、まだたくさん入るから買ってもいいんだよ?」


「着てもなんだかんだですぐ戦闘や活動で汚れちまうからよ、私はいつものコレで良いのさ、形状記憶、防水防塵撥水加工、温度調整や湿度管理も出来る優れもんだぜ」


「マリーのオシャレ着見たいな〜! ねぇ、ロシィ?」

「見たい見た〜い! あれなんか似合いそうだよごしゅじんさま!」


 ロシィは店の一番良い場所に飾られている洋服を指差す。

ふんだんにあしらえたフリルに、淡い桜色が美しいロリィタドレス。


「やめろよ……金の魔術師である私が、そんなヒラヒラした可愛い感じの服なんか着るかよ」


「あぁら! お客様ならお似合いよぉ〜! アレはね、選ばれし者しか着ることのできない特別な品なのよ〜貴女みたいな可愛い金髪美少女なら着ることが出来るわ! ささ、試着して見て! はやくはやく! オラッ! 早くしろ! 可愛いね♡」


 途中、乱暴な口調に変わったうら若き剛腕の漢女おとめな店主に引きずられ、マリーゴールドはドレスに袖を通す事になる。


 数分後


ロリィタドレスに身を包んだマリーゴールドが現れる。

普段はビックハットを被っていたのでよく分からなかったが、彼女自身の素材がとても良かった。故に、抜群の美少女っぷりを発揮したのである。



「まぁぁぁぁ〜〜〜〜可愛い♡アタシ嫉妬して気が狂いそうよ♡もう連れて帰って食べちゃいたいくらい♡絶対許さねぇ……♡」


 漢女おとめ店長の潤いを秘めた厚い唇が、嫉妬によって鋭く尖り、狂い無き眼は、マリーゴールドを逃す事なく捉えている。



「ユタカ! 助けてくれ! 目がマジで怖い……!」


「マリーちゃんきゃわわぁ〜!」

「マリーちゃんきゃわわぁ〜!」


「ユタカ! ロシィ! てめぇら声を揃えるんじゃねぇよ!」



「あら、そっちのちっちゃな天使ちゃんもなかなか可愛いじゃないの! いらっしゃい! 大丈夫よ! 怯えないで! 早く来い!! カワイ子ちゃん!!」


ロシィも続いて着せ替えられる事になり、マリーゴールドとは色違いのロリィタドレスを身に纏った彼女は、恥ずかしそうにモジモジしている。


「あぁぁらん♡可愛い♡その仕草がオトコを惑わすって知っているのね〜♡このメス猫ちゃんが♡……すぞ♡」


「ロシィもすっごく可愛い……」

「おー……可愛いじゃん……」


「ホラ! こぉんな可愛い美少女を二人も引き連れてるのにプレゼントも出来ないようなら、オトコじゃないわよ! 今なら上から下までコーディネートセット2つを……なんとなんと! ギルダム銀貨300枚で売ってあげるわ!」


「買います」


「あら素敵! 男の決断力!! アタシも抱いて!!!」


「ついでにドレス似合うバッグもそれぞれください」


「その心意気気に入ったわ! 全部でギルダム銀貨400枚よぉ~~~~!」


「あ、ロシィのバッグは背負えるタイプでお願いします」


「任せてちょうだい! アタシがキッチリしっかりもっこりこってり懇切丁寧にコーディネートするわ!!」





 ギルダム銀貨400枚を支払い新しい服を着たまま店を出た

元々着ていた装備とラビィバックパックは包まれ、ロシィの新しいバッグに入った


「また来てね〜! 絶対よ~!」


 漢女おとめ店長が満足気に手を振り、三人を見送る。

手を振るたびに、その剛腕からは疾風が飛び交っている。


「ごしゅじんさまありがとうございます!」

ロシィが豊に抱きつくと、自然と顔が柔らかなる

「その……ユタカ……ありがとな」

「マリーちゃんもありがとうのぎゅーしよ?」


「……ぎゅー……はい、終わり! ユタカ、顔を戻せ……ニヤニヤすんな!」


「いや、嬉しくてつい……」


 ニヤけるのがやめられない豊を軽く引っ叩き、デートは続いた。

貴族も訪れると評判の高級料理店で昼食を済ませ、三人はブラブラと町中を歩く


 広場には大きな噴水があり、

吟遊詩人や演奏家などが王都の賑やかさに拍車をかける。


「飲み物を買ってくるよ、ベンチに座って待ってて」


「ユタカの糧で出しゃいいのに……」


「それじゃあ風情がないじゃないか、行ってくるよ」


「いってらっしゃ〜い!」



豊がその場を離れると、急に日が陰った様になった。


「お嬢さんたち暇なら付き合わねえかぁ〜」

「俺たちと遊ぼうぜ〜」


 日を遮るように現れたのは、もはやテンプレの様な悪人ヅラで、冒険者風の男三人

命知らずにも、ロシィとマリーゴールドをナンパし始めたのだった。


「今日の私は機嫌がいいんだ、見逃してやるから悪くなる前に失せろ」

マリーゴールドがキレのある言葉ではあったが、この可愛らしいドレスではイマイチ迫力に欠けていた。


「ごくり……ちっこいのに生意気な女だぜ……めっちゃタイプだ……」

「ひゅ~! 可愛い顔してんのに冷たい目線がたまらねぇ……」

「ベッドでも同じ顔出来るんかなぁ」


 野卑た顔で舐め回す様にマリーゴールドを見定める三人


「はわわ……」


 ロシィはこの命知らず三人が散々苦しめられた後、粉々に粉砕されて殺されるのではないかと心配していた。


 心配する彼女の様子に男達は何を勘違いしたのか、自分達に恐れをなし怯えていると感じていた。



突如として声が広場に響く


「少女二人相手に大の男三人とは! 貴様ら恥ずかしくないのか!!」


その声の主は豊ではなく


青い瞳をした長身の女性であった。


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