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フォルトゥナ戦記~キモオタだって異世界でモテたい!~  作者: メアー
ギルダム王国式典 前編
78/254

77. 人々の教育は世界の未来




豊は、アリアス国の人達

つまり、アリア教団の偏った考えに縛られ

偽りの幸せを与えられている人々も、救えないかと考えていた。


フォルトゥナ世界における、人類幸福度が低い原因はアリア教団にもある。

豊は、影達に施された暗殺術の精度及び、刺客の少女の目を見て確信していた。


「あんな事をさせている組織にいて、幸せなんか得られるわけが無い」


「しかし、全ての信者を納得させる事は到底出来ないだろうな。奴等は生まれてすぐにどっぷりとアリア教に浸かっている。人は信じたいものしか信じない悲しい生き物だ」


機械を弄りながら、マリーゴールドは人間の心理について語る。


「ごしゅじんさま、アリアっていう神様は本当にいるの?みんなが苦しんでいるのにどうして助けてくれないの?」


「そこなんだよなぁ……。実在すれば顕現してもらって教団を正せば良いだけなんだけど……」




『アリアはいるわよ』


急に会話に入って来たのは

創造神フォルトゥナであった。


『アリアは慈愛の神として、私が懇切丁寧に作ったわ。それなのにあんな腐れ宗教団体に祀りあげられてしまっていただなんて!なんとしてもアリア教団をぶっ潰して世界を平和にしてね!!』


「女神様が短絡的過ぎて困る……」


この女神の脳筋思考が、豊を長い間苦しめている要因だとはとても言えなかった。


「女神様よぉ、居るならみんなに聞こえる様に【開放天啓オープンオラクル】で話してくれ」


『あの子はね、私が最初に作った神なの。慈愛の名を騙り、私利私欲を尽くし、あまつさえ私の信者を狙うだなんて許せる事ではない!短絡的にもなるわ!』



「組織は大きくなるにつれて深くなり、内部が見えなくなるものです。一概に全てがそうとは言えません。アリア教団の膿を出し、正常な形に戻しましょうぞ」


「最悪、組織丸ごと解体しないと収まらないかもしれんな。他の宗教は邪教とまで抜かす奴らだ……容赦は出来ん……よし、完成っと」


「マリーちゃん何これ?」


「ユタカに頼まれて作ってみたが、なかなかに興味深かったぞ」


マリーゴールドが作っていたのは通信機の一種である

【通響結晶】と呼ばれる、魔力を含んだ鉱石を流用したもので

対となる機器を所持していれば、離れていても会話をすることが可能となる。


それぞれ同じ形の魔術式を描く事で

複数での会話も実現し、使用時に魔力を必要とする。


フォルトゥナ教団の皆は距離が近ければ

神を通した天啓で多少の念話が出来るが

その他の人々向けに開発をしていた。


「今は手のひらサイズだが近いうちに指輪サイズまで小型化してやるよ」


「コレで会話出来るんだ!マリーちゃんすごいんだね!」


「当たり前だろぉ〜!天才魔術師なんだからよぉ〜!」

ロシィの頬を揉みくちゃにしながらマリーゴールドは鼻高々であった。


『とにかく、アリア教団の件は任せたわよ、人類幸福度は現在15%達成したから、アンロックされたものは随時確認しておいてね』


【ガチャ、ツーツー……ツーツー】




これからハガンカへと向かい、更にギルダム城へと赴く訳だが


念の為、すぐ動ける超戦力であるギャリオンを救いの村に滞在させ

ルルを彼のサポートとして預けた。


【時を駆ける創造】で材料を大量に用意し

村を木の柵ではなく、石の壁で囲う指示を出すと同時に

建築家達に図面を渡しておく



豊とロシィ、マリーゴールドを乗せた魔装車は

1日も掛からずにハガンカへと到着する。


ルーティーン家へ赴き、挨拶もそこそこに、現在の状況を報告する。

豊の様々な要素からなる、各国への影響力はビットマン氏も案じていた。


何せ、ギルダム王国が成し得なかった貧困問題や食料問題

教育や知識による国民の知能向上に衛生観念の改善を

全てフォルトゥナ教団の豊を中心に解決してしまったのだ。


巷では豊自身が、この世に顕現した神なのではないか。という話すら上がっている

ギルダム王国の急激な変化に対して

各国もなんとか話の中心となるフォルトゥナ教団を取り込みたいと画策している事だろう


しかし、ここでマリーゴールドが行なった事は

事実上、フォルトゥナ教団の独占

下手な行動で取り込もうとすれば、彼女の逆鱗に触れ

彼女に関わった経済全てがひっくり返る事となる。


この世界においては知的財産権はなによりも重視されており

各地で様々な実験や開発が試みられている。

これも、研究者を大事にし

粗悪なまがい物の乱立を阻止し、発展を止めない為の策であった。


歴代ビックハットは魔術と知識に長けており

発明した特許をかなりの数取得していて


その知識はビックハットのみに伝えられる

発明全てに、誓約と制約の儀式が組み込まれ

彼女の意思で破壊と構築が可能となる

制約上、どれだけ発明の形を真似ようとも

効果や意味をなさなくなるのだ。


ビックハットの魔術は基礎魔術から始まり

建築、錬成、工業、人々の私生活にも及んでいる。


マリーゴールド自身が開発した魔術式には

【防音】【温度安定】【湿度調整】などの

日常生活に役立つものが複数ある。


これらを握っている彼女に対して

文句を言う様な輩は、度し難い程の愚か者を除いて存在しない。


これだけの後ろ盾を持ちながら

豊がルーティーン家を訪れたのは

マリーゴールドに言われて不可侵、または協力を望む為ではなく


豊自身の存在価値と、人間性を評価してもらい

積極的に力になってもらう為であった。


そんな考えを察していたのもあるが

ビットマン氏は、最初から豊の良き友人として接していた。



豊の身に危険が迫り、関係者にも火の粉が降りかかる様ならば

ルーティーン家はフォルトゥナ教団に対し

全面的に協力を惜しまないと約束をしてくれたのである。


差し当たって、早急にルーティーン家領内である救いの村に対して

兵の配備を手配してもらう事となった。


ルーティーン家でしばしの時間を過ごす事を勧められ

2日滞在を決めた豊の下に、ハイネとアンリエットがやってきた。

最初、急激に痩せた豊に気がつかなかったが、黒髪と特徴のある声でわかった。


「ユタカ、随分……というか半分くらいになってるよね……お父様はよくユタカだってわかったなぁ」


ハイネは人体の神秘を目の当たりにしたかの様に

記憶と現在の彼を見比べていた。


「かっこよくなりましたわねユタカ!これならば私の候補に相応しいですわ、あと10年待ってくださいね!」


アンリエットは喋り方が大人びており

お嬢様の貫禄が出てきていたと言える。

ユタカはアンリエットのめまぐるしい成長に、ビットマン氏の気持ちを理解した。


「アンリエットちゃん、あと10年待ったらどうなるの?」

ロシィは、何もわからないといった様子でアンリエットに問う


「ユタカは私のお婿さん候補だからね、10年経ったら結婚するのよ」


「え〜!ごしゅじんさまはロシィのごしゅじんさまなの!取っちゃヤダよぉ!」


「ロシィ、何を言いますの!火事から私を救った勇敢な者が、これ程立派になってますのよ!結婚しなくてどうするの!」


「それを言うならごしゅじんさまは私とみんなを救った英雄だよ!私が結婚するんだから!」


子供ながらに真剣に豊を取り合う様子を見て豊は

美少女だけどダメだぞ!と自らに釘を刺していた

影からビットマン氏が娘を取られて半べそをかいていたのを知っていたのは

この場でハイネだけであった。


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