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67. レベルと称号の謎



 相撲による祭事が終了し、各々支度を終えて帰宅する中、豊達は、祭壇の前に顕現したコスモライブラと対話をしていた。


 顕現した神【コスモライブラ】は、レベルの神として世界の力関係を築き上げ

均衡を保つ事を主な目的としている。


 この世界で【努力した分だけ強くなれる】のは、フォルトゥナの理念である

【優しい世界】を成立させるための条件だった。


『へぇ〜君たちはフォルトゥナ様の使いなんだ……道理でオイラが見える訳だ』


 レベルの神コスモライブラは、豊から事情を聞くと、レベルの理と仕組みについて詳しく話し始めた。


『まずレベルを設けた意味だけど、これは力に対する抑止力と秩序が目的で作ったんだ。力には責任と使い方があり、それらを正しく理解してほしくてね。まぁ、今じゃあオイラの思惑からはだいぶ離れた使い方をされてるみたいだけど……』


 力に対抗するには力。どう足掻こうと、どれだけ知識を得ようとも、この決まり事は時と場所も関係なく、揺るがない。【レベル】は力を数値化する事で視覚化し、余計な争いを生まない様に作られたルールだった。向上心を持ち、世界をより良い方向へと導く、指導者のみに与えられる特権。


 それが、この世界におけるレベルの概念であった。いつしかその概念は、人々の間で曲解されてしまい、本来の目的であった抑止力と秩序は既に失われている。


 この世界で、レベルを手に入れる為に必要な本来の条件は、【人に物事を教えたり、指導する立場となって、能力や知識を伝承し、世界をより良い形へ導く事】である。

 人類はこの【指導する立場】という条件を曲解し、長い時間を掛けて、レベルの概念を人々から取り上げてしまったのだ。

 それを行ったのは、人類を導く筈だった、【レベルを持つ者達】である。


 この世界で金銭を蓄え、各所でレベル申請を行う行動は、【この世界の貨幣を一定基準集めることの出来る実力者】と【実力者は生き延びる事に特化した人物であり、努力を重ねた人格者である】【人格者であるならば、この世界の為に働き、より良い世界を作り上げてくれるだろう】という世界に認知され、レベルが開花する。


 実力と指導力と人格が揃えば、レベルは自然と芽生える筈だったが、【認識】がそれを妨害した。コスモライブラを含めた神の力は【認知と信仰によって世界に影響を及ぼす】が、【金を用意できない奴はレベルが貰えない】と上書きされてしまった為、その他が揃っていても条件が満たされていないと認識し、自らの可能性が潰えてしまうのである。


『まさか最初、オイラの与えた特権が、人類の可能性を閉じ込め、金儲けなんかに使われるなんて思いもよらなかったよ。失敗したかなぁ。もう少し細かい理を仕込んでおくべきだった』


「確かに一部の人間が、神様の理念とは異なる、間違った使い方をしてはいますが、正しい使い方で人々を導いて来た、オリジン大王の様な方も存在しますし、一概に失敗とは言えませんよ」


 豊の言葉を受け、消沈気味だったコスモライブラは一拍置いた後、落ち着いたように話を続けた。

『そうだな! 彼みたいに神になったやつもいるし、現世には今、エイジミアにもスッゲェ王様が居るって話だしな』


コスモライブラが機嫌を取り戻すと、豊はレベルの上げ方、称号、職業などによる追加賞与エクストラボーナス及び、技能スキルによる補正などについて尋ねた。


『君ってば柔軟で愉快な発想をするんだなぁ。確かに称号及び職業に関する能力の恩賞は存在する。さっきも言った様に、レベルは指導者の特権だ。人々に影響力がある程、その力は大きくなっていく。例えば称号である【英雄】は人々に希望を与え、目標となる存在だ。その心が正しくあり、人々に誇れる人格であればある程、力を発揮する。称号と職業は、人々を導く上で大切な要素のひとつなんだ』


「人々への影響力がそのまま力になるというのは、非常に面白い発想ですな」


『そうだろう? 良い意味合いを持つ【称号】は【人々から贈られるもの】だからね。人格者が多く、指導者の素質がある』


「だがその反面、この理により【独裁者】が生まれた場合、世界に与える影響は計り知れない。そうだろ? 神様」


『そう、それはオイラが想定していた外で起こった。最悪の事態だ』


 マリーゴールドの指摘は的中していた。


【独裁者】

抑圧的残虐な支配や権利の濫用などに使用される言葉であるが、この世界においては圧倒的なカリスマ性で、人々を導く絶対的支配者の称号である。


その手段は様々であり、民の徹底教育による人格の形成。

情報遮断と操作による人々の洗脳や、宗教による崇拝的な指導方法


権力や物理的な力を見せ付ける事による、尊敬や恐怖による支配などがある。



 マリーゴールドの顔が険しくなる。

「今で言うならヴァマルドやズクみてぇな国の事だな……そうか、だからあの国のトップには力があるのか……称号ってのは本当に恐ろしいな……」


「国民を洗脳し、多数に数々の称号で呼ばせる事で、己の力を絶対のものとする。考えるだけで寒気がしますよ……」


『人々を導く為に作った規定だから、乱暴な称号では力にはならない……しかし人が本気で信じた支配者は、英雄になってしまい、虚構であるはずの力は、やがて本物になるんだ』


「これは、人類幸福度を回復させる為の大きな課題になるかもしれんですぞ……」





 その後、技能スキルに関する補正についても話をしたが

技能スキル担当は別の神との事で、詳しく聞く事は出来なかった。


 コスモライブラは、供えられた酒をあおり、自分の信者達と祭事を楽しみ。

豊達はその場を後にする。



「この世界で力をつけるには、称号が必要不可欠だという事がわかった。つまりはこれからフォルトゥナ教団として支援活動を行い、人々から称号と尊敬を集めて、力をつけていく事になる訳ですな」


「今までみたいに、いっぱい人助けしたら、強くなるって事かな?」


「簡単に言えばそうみたいケロ」


「次は技能スキルに関する情報が必要だな……。技能を司る神はトートか……」


「トートはドワーフが信仰していると聞きます。彼らが住むバレル鉱山に行ってみるとしましょう」


豊達は魔装車に乗り込み、ドワーフが住むというバレル鉱山へと向かった 。



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