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60. パシリカ連合国


 パシリカ連合国は獣の国、または自由の国と呼ばれている。


 森と共に生き、弓の名手を多く輩出する、

不老長寿の一族【エルフ】


 火と鉄の寵愛を受け、誰よりも酒を愛する、

剛力の一族【ドワーフ】


 身体に動物の特徴を宿し、恐るべき身体能力を持ち、

狩猟を得意とする一族【アニマ】


 魔力満る森の奥底で、花と共に踊り、

鳥と共に歌う自由の一族【フェアリー】


 肥沃な湿地帯で群れを成し、

集団狩猟を得意とする一族【リザードマン】


 ありとあらゆる土地に適応し、

数と無限の体力を誇る一族【オーク】、


 その巨躯はどの種族よりも秀でており、

戦いを誇りとする勇敢なる戦士の一族【巨人族】


皆、差別偏見無く暮らしている。

それぞれの種族、部族達が、互いの意志主張を尊重し合い暮らしている。



古くから伝わる神話によると、

この国を最初に作った大王オリジンは、


「人の姿は皆違うが、正しい知識と理解を深めれば必ず分かり合える」

と国民に対し何度も言い聞かせた。


「人を変えるのは空腹からくる苦しみである」などの哲学的な言葉も多数残し、その教えを正しく守り続けている。


「貧しく苦しい時もあるが、努力を惜しまず向上心を持て、辛い時は周りを頼り支え合い、話し合え」

と唱え、人々はそれを信じて生きている。



「パシリカは宗教国家といえば宗教国家だが、人の信じるものは様々であり、害してはいけないというオリジンの言葉を守っている。大王は二千年の間生き続けて民衆を導き、癒しの力を持っていたという。亡くなる際に神の枠に加えられ、今も人々を見守っている。その証拠として、年に何度か魔術適性の高い子供が種族に関係なく誕生し、産まれながらにして、オリジンと同じく人々を癒す力を持っている」


「つまり、その癒しの力を持つ者が現実に存在している事実が、オリジン神話に信憑性……いや、説得力を持たせている。故に人々は神の存在を信じ、教えを守りながら生きていけるという事ですな……」


「まぁな、そういう事だ」


「オリジン大王は、ごしゅじんさまと同じ事言ってるような気がします」


「うん、言葉はちょっと違ってもオリジン大王は、人々が幸せになる為の条件をちゃんと考えていたんだろうね」


「って事はユタカは、大王の器ケロ!」


「はは……流石に褒めすぎですかな……」


 豊達が訪れたパシリカの港町にも、たくさんの種族が生活しており活気付いていた。またしてもマリーゴールドのツテを使い、魔装艦を一時保管してもらう事に成功した。


「私の名前があると旅が快適になるだろう、感謝しろよ〜?」


「ははっ! いつもお力をお貸し頂きまして感謝します! マリー殿!」


「感謝してますマリーさん」


「「マリーちゃんありがとう」」


各々は裏表なくマリーゴールドに言葉を贈り

「……いいってことよ……!」

素直に感謝されたマリーゴールドは、少し照れ臭そうに頬をかいた。




「しかしマリー殿、レベル上げをしようにも、一体何処に行けば良いのですかな? パシリカは恐ろしく広い国ですぞ?」


 マリーゴールド指示のもと、魔装車を走らせる豊達。


「今から向かう所には、私の師が作った地下迷宮が存在するんだ。そこへ向かう」


「ほう……いよいよ物語は、【修行長期編】へ突入ですかな……!拙者、漫画などにおける修行編が大好きなのですが、最近の若者の間では不評らしく、【ストレスフリー?】 などと云う概念まであるらしく、残念に思う次第でござる……」


「……ユタカの言う事はたまにわからんが、そう言う事だ」



マリーゴールドの師

七代目ビックハット。迷宮創造主ダンジョンマスター

迷宮の魔術師など、様々呼び名で世界に名を轟かせる賢者。

【エルドリッチ・パンデライト】

彼が死に際に放った一言は、人々を迷宮へと駆り立てた。


「ワシの財宝か、欲しけりゃくれてやる。潜れ!この世の富を底に隠した!」




「あ、やっべ、めっちゃ聴いたことあるキャッチフレーズだわ……」


「まぁ、迷宮を作ったのは師匠だがな。今後も完全な攻略者は現れないだろう。何たってあのクソジジイは、調子こいて地下に百階層まで作りやがったからな」


「完全にローグライク物語になっちゃう……僕、この手のダンジョン大好きだからハマったらどうしよう……」

 豊の、作業ゲーマーとしての魂が沸々と沸き起こり、その手は、あまりの手持ち無沙汰でゲームコントローラーを握る形へと変わる。


 その目は何処か虚ろであった。


「ごしゅじんさま! 使命を忘れないで‼」


「ユタカ目の光が変に輝いてるケロ! コレやべーやつケロ!」


「ユタカさんがめっちゃ楽しそうなんですけど、迷宮ってどんなところなんですか?」



ギャリオンが疑問に思うように、ギルダムではダンジョンを一般的に公開していない。未知の部分が多いため、依頼を受けた調査隊などが派遣され、内容は秘匿とされている。


「説明するとだな、階層ごとに様々な迷宮産の魔獣や罠、迷路等が設置されていて、迷宮自体が大きな生き物みたいになってるんだ。内部では独自の生態系が成立していて、魔獣や秘宝を生み出して、獲物である人間を誘い込み、死んだ人間を吸収して肥大化するバケモノさ」


 話を聞く限りでは、相当厄介な建築物であるという事が伺える。

先程の説明で、ギャリオンには一抹の不安がよぎった。

「まさか、そこでレベル上げをするんですか? 死にませんか?」


「まぁ、あの変化前の大猿を倒せるなら、十階まではいけるだろうな」


「アレで十階層モンスターとどっこいとか、最下層はどうなるん……」


「案ずるな。私は迷宮転移の鍵を持っているから、途中階まで直ぐに行けるし帰ってこれる。だから魔獣選びと罠にさえ気を付ければ死にはしない」


「よーし! あまり時間は掛けられないが、今後の為に、目一杯力を付けるとするか!」


「「お〜!」」


 一行は、ダンジョンのある街【パマリダ】へと向かった。

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