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43. それぞれの役割



 豊が村の代表として復興を始めてから3ヶ月が過ぎた

村は復興を果し、見る見るうちに発展を遂げ

いつしかこの地は人々に

【救いの村】と呼ばれる様になっていた。


 現在ではリカンナをはじめとする建築家達が新しい学校と宿を建設しており

作りは豊の考えで日本式の頑丈な木造建築が村の主な建築物になっている。


 皆、見慣れないであろう図面を見ても直ぐに対応出来る程優秀な建築家達であり

豊の提案した建築法を自ら改良し、現代建築により近しい技術を生み出していった

特に目立った功績は鋼を使った【はり】の実用化に伴う頑丈な二階建て以上の建築物である。

梁の存在で建造物の耐久性は飛躍的に向上し、大人数の収容にも対応可能となった。


各地区はしっかりと区画整理されていて

集まった移民たちはそれぞれの個性に見合った職を選んで働いている。


豊の手伝いをしてくれているロシィを始めとした管理能力に秀でた若者達が豊を助け

役場を設けて日々奮闘している。


 畑も規模を拡大し麦や豆、野菜もよく育っている

豊が【時を駆ける創造】で農業のマニュアルや教育のノウハウ本を執筆したりして

教養ある人材を着々と育てていた。

現代知識とは多少異なる結果となり一進一退ではあるが

【まだ農業には伸びしろがある】と認識しただけでも大きな一歩である。


 自警団も作られ、ギャリオンはそこで今戦える人材を育成している

豊の粥やルルの魔術で病や障害などは殆どなくなっていたので

それを理由に働けない人は居なくなっていた

無職を決め込もうとした不貞な移民は強制的に自警団に入れ心身ともに鍛え直される


 ゲッゲーロの協力により

各地区の要所要所に水路とポンプ式水道

更には魔導ろ過装置付き上下水道が設置され火事、衛生対策もしっかりと図られた


まだ医者など足りない人材はいるが救いの村は着々と安定してゆく


そんな中、一本の連絡が豊のもとへと訪れる。

【プルルル……プルルル……ガチャ、あっ、神様だ】


「お久しぶりです神様」


『おひさ〜ユタカ青年、村作り順調だねぇ〜!村に留まるって聞いた時は幸福度の心配をしてたけど君が公開した新しい農業の知識と教養の大事さが吟遊詩人や石版、書物を通して各地に広まっているよ。その結果か以前みたいにポンポンと上がらないけど、じわじわ幸福度は伸びてきてる。今は12%まで上がってるから新しいアンロックの確認よろしくね!』


「一息での説明お疲れ様です」


『もう慣れたもんよ、君の采配に任せるからこれからもよろしくね!』


「はーい」


【ガチャ……ツーツー……ツーツー】



「オラクルお疲れ様ですごしゅじんさま〜」

お茶を持って現れたロシィを撫でると

彼女は可愛い仕草でくすぐったそうにする

「やぁ〜ん!」

かわいい


「媚び方がだんだんと僕好みになってきた、将来有望だなロシィは……」


「ありがとうございますごしゅじんさま……えへへっ!」


「かわいい!」


2人が交わす漫才コミュニケーションにも磨きがかかってきていた


「ご両親とは元気でやってるかい?」


「はい、2人とも元気です、最近は一緒に公園に行って遊びました、他にも……」


こうやって取り留めのない会話をするのが2人の日課である

豊にとってロシィは妹と同じような存在でありながらも大切な仲間であった

しかし彼女は、豊にそれ以上の想いを寄せていた。


「この村が安定して僕の後継人が決まったらまた旅に出ようと思うんだ、その……」

豊はロシィが両親と一緒にこの村で暮らす方が幸せなのかもしれないと思い

この先は言わなかったがすかさず彼女は口を開く


「はい、お供いたします。ごしゅじんさま」

彼の考えとは裏腹にロシィの心は既に決まっていた。


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