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39.北の村の復興計画①




ルーティーン家を訪れ成果を報告すると

ビットマン氏から領主として正式に

ハガンカ北の村復興を仰せつかった



詳しくは国からの許可待ちだが、領主としては取り敢えず許可を出す事が出来た。見切り発車ではあるが豊達は北の村に赴き復興を開始した


ある程度残っていた民家を修繕し、それらを今後の活動拠点とする算段とした。



「まずは役割分担だ、チーム分けとしては村に残り復興作業をするチームと各場所から物資や人材を集めてくるチームに分かれてもらう、ロシィ、ルル、ギャリオンには僕の指示した村や街に手紙を届けてもらう、馬車を長期借りてなるべく早くね」



「なるほど、センパイがいればマジカルバックパックで物資を一気に運ぶ事が出来る訳ですね」


「そういう事ならビシッと行ってきましょう〜!行くよギャリオンちゃん!」


「馬車はあらかじめルーティーン家を通じて手配してもらっているからそれを使ってくれ、あとコレが手紙だ。裏にどの場所に届けるのが書いてある、必ずその地の代表に渡して中身を確認してもらってほしい」


「わかりました、では行きますよセンパイ!」


「はぁ〜い!」


ロシィ、ルル、ギャリオンは旅の物資を補給し北の村から出発した。



ロシィの両親は、娘が豊に協力するのを帰りの馬車内で聞き、復興計画の参加を申し出たのである。

それには豊に対する恩返しと村の復興を望む思いがあった。



始めに皆で村の周辺を探索し復興作業で使える材料等がないかを探索。


村の隅っこにやたらと大きい岩があるのに気が付いた豊は

切り出して石材として利用出来ないか調査を開始した。



 目の前の大きな岩に対しレシィとロアナのふたりは違和感を覚えた。

「おかしいなぁ、私どもが住んでいた頃、この辺りにはこんな大きな岩は無かったのに……」




ゴゴゴゴ…………




「じ、地震か!?」


緩やかに大地が揺れ響く、すると巨大な岩から手足が露わになり、ゆっくりと立ち上がったのだ。




「魔物だったのか!?」


巨壁兵ビッグウォールガンロック



巨大な岩の魔物

中には10メートルを超える個体も存在し

身体に鉱石を溜め込みながら長い旅をする生息地不詳の無機生物。何処にでも居て何処にも居ない。

その重量と二足歩行により周囲の環境を蹂躙するが、どうして動いているのかは謎に包まれている。

上半身に対して下半身が貧弱な見た目をしていた。



「無機生物には必ず核が存在する筈だ、しかし一体何処に……」


以前マッドロンと戦った際には身体中に剣を突き刺し、穿り返しながら核を探したが今回の相手は巨大な岩。如何に業物とはいえ剣は通りそうもない。

ロシィの両親を避難させ、ガンロックと対峙する豊は、相手の周辺を周りながら弱点を探していく



「(さぁどうやって倒すかが問題だ……動きと見た目からは明らかに動きが遅い、自重を支えるだけで手一杯なのか?)」



 豊が慎重に敵の様子を観察していると、ガンロックはその無機質で大きな腕を振り上げ、獲物目掛けて一直線に振り下ろした。


【ボグン!】と大地が削られる。土や石の塊が周囲に飛び散り

油断できない攻撃へと変換されてゆく。

 続いて横の薙ぎ払い。回避した瞬間、高速で移動する車が横を通り過ぎる様な感覚が

豊へと襲い掛かる。対象の拳は3メートルにも及び、まるでトラックの追突を思わせる。


 ひと振りひと振りが命を容赦なく踏み砕く一撃であり、命中は即ち死を意味する。

豊は何度も回避を試み、攻撃を繰り出す相手の特徴を捉えようと試みた。

すれ違いざまに攻撃を当てては見るものの、剣での攻撃は薄いように思える。

 

 【怒りの鉄槌】による力押しもこのサイズ差を考慮すれば効果が望めるとは思えない。

攻撃を躱しながら思考を巡らせ、打開策を打ち出そうとするも

この大きな体を揺らしながらではまとめきるのは難しいと言える。


更に、両手を結合させ天高く振りかぶり、先程よりも鋭く攻撃は放たれる。

繰り出された攻撃は自重と、振り下ろした際の加速により恐るべき破壊力を明らかにする。




「あっ、危ねぇ……こんなの喰らったら即死しちゃうよ……」




ガンロックが殴った跡は地下深くまで抉れ、隕石でも落下したのかと見紛う程

見事なクレーターになっていた。


クレーターの真ん中からゆっくりと立ち上がり

こちらへと向かってくるガンロックだったが

出来た穴が深かった所為か、動きがまごついている

一歩一歩転ばないように歩く姿には若干愛嬌があった


「あいつもしかして足が短いから這い上がれないのか……それなら……!」



「第1の術!第2派生!」

【溢れる体液】!

第1の術【激しい発汗】の派生

【溢れる体液】は手から大量の油を精製する術である


発現のエピソードは大体同じである

魔力と体内に蓄積された脂肪とカロリーを消費して撃ち出す

これを使っても大して痩せることはできない

油1ガロンに大して脂肪は1mgしか消費されない謎の変換率だからだ


滝の如き勢いで油がクレーターに流れ込む

まごまごしていたガンロックが油を踏み大転倒。

クレーター内で盛大にすっ転び、再び地響きを引き起こしている。


 立ち上がろうとして転び、また立ち上がろうとして転ぶを繰り返す事数度。

ついにガンロックは起きあがりと転倒を繰り返す事で絶命した。

内部に転倒による衝撃が蓄積した事で核に損傷が発生したと考えられる。



単純な事しか実行出来ない無機生物は

複雑な思考が出来ず「立ち上がる」という事を死ぬまで実行し続けたのだ


絶命した事で岩の集合体であるガンロックは形状が保てずバラバラとなり、その身体の中心部からは黒々とした核がゴトリと転がり出てきた。



「なんか可哀想な気がしてきた……」

豊の良心は若干痛んだがそれはそれ

魔術の油が時間経過で霧散した事を確認してからガンロックを調べる。

奴が己の身体として選び抜いた数々岩は強度や密度に優れ、活用出来る事が判明した。

「切り出せばいい石材になるかもしれないな……」


「第4の術、第2派生!」

【素材変換】!


【素材変換】

魔物や資材をすぐ使えるように変換、加工し、成分分析も行える魔術。これらの分析が完了すると

【時を駆ける創造】で作れる資材が随時アンロックされていく


ガンロックの核を取り除き

残りを変換加工していく

この魔物は長旅の途中で様々な鉱石や物質を含んでいた為

それらを分解し、金属や石材として加工していく


 その後、復興に必要な道具類を作り

測量をして詳細な製図を引き

何処に何を作るのかを計画する


居住区、商業地区、農業地区を振り分け

水路、上下水道、道路なども未来を見据えて考慮していく

川はそう遠くない所にあり、地形の影響で

水が引っ張れないという事はない


まずは人が住む為の居住区。次に農業地区、商業地区という手順で進めていく

丁度この村がハガンカとタリアの中間にあるという事を考慮すると


将来的には商人や旅人が利用する宿屋

なども必要になっていく事だろう

 整地をして大通りを作る事も視野に入れ

まずは道路から少し離して

居住区スペースを確保していく

やがては今ある村と街を繋ぐ道も舗装するのも良いだろう

 製図通りに測量をし

杭を打ち込んでロープで囲み

同じように他の地区の予定地も囲んでおく


 ある程度残っていた民家を修繕し

仮住まいとして移住者には耐えてもらい

次第に新築を増やしていく計画だ

 続けて畑を耕す。今はまだロープで場所の確保だけだが

人と物資が集まり次第柵にも着手する


 食料の心配はしなくていいので毎日を

【過剰なる糧】で凌ぎながら

少しずつ畑と民家の作業をこなす

しばらくして移民がこの村の事を聞き付けやってきた、4家族で17人



家も食料も足りているの為、豊は健康診断と糧による治療と

村人名簿の制作を行った


子供の早期教育のため民家の一つを学校として機能させる。

移民の中には文字を知っている人が居たので教師に任命した


皆にハガンカで買い付けた必要物資を配給する。

村が軌道に乗るまでは1日3食の美味い炊き出しと物資で働いてもらう事になる。


人数が一気に増え村の復興は更に加速するだろう。


二章、始まります

出来ているところまで一気に投稿します。

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