37.再開
村娘は騎士団にはついて行かず
ギャリオンを囲みながら村へ帰還する。
この村出身は5人、後の10人には路銀と必要物資を満載した馬車で村に帰ってもらった
自分達を救ったギャリオンとの別れを惜しむ村娘達を尻目に旅は続く
【プルルル……プルルル……ガチャ、あっ女神様だ】
「たまには成功に応じてドルが振り込まれたりはしませんかね?」
『そんなシステムないわよ……好きな献立はカツ丼でいいわね?』
「かっこいいと思うものはTO-KI-Oです」
『怒られちゃう!私も好きだけど!』
「さて、今回の幸福度ですが」
『10%になりました……!』
「やったぜ、成し遂げたぜ」
『まだ終わってないから!まだまだだから!ユタカ青年の第1の術に派生術が追加されたわよ、おめでとう』
「激しい発汗あれから全然使い道ないですからね……派生もアリですよ」
『じゃあ引き継ぎ世直しの旅頑張ってね〜!』
【ガチャ、ツーツー……】
「ユタカさん、オラクルですか?」
「うん、今回はステレオじゃなかったね、まぁそれはいいとして次の目的はロシィの両親を探す事だ、ロシィも団が掲げる救済対象だからね」
「ごしゅじんさまっ、わたしどんな結果でも……うけいれて……みぜまず!」
「無理しないでいいよロシィ、出来るだけの事はやろう」
盗賊の帳簿を見ると思ったよりもまともに記帳がとってあった
ロシィの話を聞き推理しながら村のあった場所を特定する
ハガンカより北、寂れた小さな村から
親子を狩る、子はすぐに売れ親は……
「ハガンカより北西、タリアの街で買われる……目的は決まったな」
「行きましょうタリアへ」
「先ずはハガンカまで行ってそこからだな」
一行は早馬車を使い長い道のりを進む
思えば遠くまで来たものだ
道中馬車の中で武具の手入れ
物資の確認などを済ませ
6日をかけてハガンカへと戻って来た
豊がこの世界を訪れて
既に一年以上が経とうとしていた
折角立ち寄ったのだからと、世話になったルーティーン家を訪ねる事にした
豊はルーティーン家の皆宛に定期的に手紙を出していたが
彼自身は旅に出ていたのでルーティーン家の近況は知らなかった
故に1年ぶりの対面で柄にもなく緊張をしている。
大きな呼び鈴を鳴らすと家庭教師時代世話になっていた執事が対応してくれた
豊の訪問を知り仕事を上手い事終えたメイドや召使い達が我先にと豊に会いに来た。
懐かしい面々は明るく一行を歓迎したのである。
面会室へと通されたがその中は皆馴れた顔触れでいっぱいであった
「ユタカーーーッ!!」
飛びついて来たのは6歳になったお嬢様、アンリエットだった
お嬢様のロケットの様な体当たりを受け止め
そのままくるくると回りながら持ち上げる
「お嬢様!大きくなられまして!」
「ユタカはちっとも変わってないわ!相変わらずのプヨプヨね!」
「はっはっは!いやはや!」
続いて現れたのは9歳になったハイネ
もう抱きついたりはしない年頃だった
「ユタカ、おかえり、待ってたよ」
「坊ちゃんーーーっ!」
「やめろー!もう僕は9歳だぞ!」
「随分と賑やかではないか」
「本当ね、懐かしいわ」
「旦那様、カミラ様お久しぶりです」
豊が2人の前で膝をつく
「近況は手紙と商人達から聞いている随分と立派になったものだ」
「ありがとうございます、皆様紹介致します我がフォルトゥナ教団の同士、ロシィとルル、ギャリオンです」
「ロシィです、よろしくおねがいします。こっちがルルちゃんです」
ピョンピョン!!
「ギャリオンですユタカさんにはお世話になっております」
「皆のことも手紙で知っているぞユタカが世話になっているそうで……今日は泊まっていくといい歓迎しよう」
「ロシィ、わたしアンリエットよ。よろしくね!」
「僕はハイネ、よろしくたのむ」
「お二人のお話は前々からうかがっております、よろしくおねがいします」
ロシィは子供同士で中庭で遊びに出た
「積もる話もあるだろうがユタカ、話を聞こうか」
ビットマン氏は今回の訪問には目的があるとすぐに察した
豊は顔を見せることも勿論、目的の一つではあったが
貴族でありこの土地の領主でもあるルーティーン家にお願いがあって来た
「ここハガンカより北の村が2年前盗賊団により壊滅した話はご存知ですね」
「勿論だ、あそこは我がルーティーン家の領土だ、あの件は我々の手が間に合わず残念な事だった……」
「ロシィはあの村の出身なのです、ドガルドで奴隷になっていたのを偶然保護しました」
「なんと……それは……」
ビットマン氏は言葉が出なかった
喜ぶべきなのだろうが見つかった先が奴隷となると村人は皆殺されたか奴隷になったのだろうと察した
「なんとか盗賊団を締め上げて情報を聞き出した所、タリアの街にロシィの両親が買われたという情報があったのです」
「ふむ、それで私に何を」
「壊滅した北の村の復興をさせて頂きたいのです、ロシィを始めとした皆の為に」
「復興か……あの村は今、完全になくなっている。国も私達も復興の手伝いは表立って出来ないぞ、村民がいないのだから支援をする為の大義名分がないのだ。」
「必要なものはフォルトゥナ教団が全て自分達で揃えます」
「ユタカ……現実的ではない、厳しい道程ぞ……」
「私の目的は人々の救済です」
「変わらんな……ユタカは……よし、私が国に取り次いでみよう、物資も金も要らないと言えば特に何も言ってこないだろうしな」
「ありがとうございます、つきまして、復興のあかつきにはその村を拠点とし、人々の救済を行いたいのです」
「ユタカが責任を持つと言うならば私は協力を惜しまないぞ」
「ありがとうございます、旦那様」
こうしてハガンカ北の村復興の約束をルーティーン家と交わし
一行はタリアへ向かう準備をする




