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35. 盗賊団を倒せ



 大会におけるギャリオンの活躍により

ダルダニアスの武具屋は一躍有名となった。


各地の貴族や大商人を始め、鍛造や買い付けの依頼が殺到する様になった

祖父の実力が認められたレーヌは、今日も誇らしげに手伝いをするのであった。




「名工ダルダニアスの剣。あの後、その剣を欲しがる輩が居て大変でしたな。」


「ええ、欲しがるのも頷ける程に素晴らしい業物ですよこの剣は……」


ギャリオンは自身の手に、ダルタニアスの剣が馴染む確かな実感を得ていた。

それはまるで、長年連れ添った相棒と錯覚する程である。


「ごしゅじんさま、この後は何処に行きましょうか?」


「そうだな、ギルドを窓口にしたからきっと救済を求める依頼が殺到している頃だろうし、まずはギルドに行ってみようか」


「はーい!」「はい!」


街のギルドを訪ねる

受付嬢に話を通すと連絡が行き渡って居た様で至急の救済要請があった


「盗賊か……」


「国の兵士だけではもはや手がつけられない程各地の治安は悪化しているとの事です」


「規模は未知数……近くの巨大な洞窟を拠点として各所に強奪を繰り返す……」


依頼書の詳細を読み上げながら豊は気が付いた

盗賊の退治依頼は初めてだった。

救済活動を続け、人々を脅かす魔物や

増え過ぎた獣、凶暴化した魔獣の討伐はやってきたが

今回は人間が相手の依頼であり、豊は不安を覚えていた。



「人の価値観というものは歳をとればとるほど軌道修正が難しいものだ、そもそも話してわかる様な人間は徒党を組んで強奪なんか余程の理由がなければやりはしない」


「ユタカさん、フォルトゥナ教団はそんな賊にまで手を差し伸べるのですか?」

先程の豊の言葉から含みを感じ取り

今回の依頼が乗り気でないのではとギャリオンは懸念した。



「この手の人間は単純に生まれた時から盗みしか知らない連中と決まっている、話し合いや教育で改心させて罪を補償という形で償わせる事は出来なくはない」


「…………」


「しかし、一度人を殺めて盗みを憶えた人間は何処までも残酷に堕ちていける、一人殺すのも二人殺すのも罪は罪、被って仕舞えば罪の意識はなくなってしまう……その場合は気が進まないが……」


「ユタカさんが悩む事ではありません、その時になればオレが始末してやりますよ!」


「頼む事があるかもしれない……すまない……ギャリオン……!」


「いいえ、正直者がバカを見る理不尽な世界を変えたい、そうユタカさんは仰いました、オレもそう思うんです、だから気にしないでください」


「…………」


「ロシィ、大丈夫か?顔色が優れない様だが……」


「だいじょうぶです、盗賊には良い記憶がないから……」



ロシィは盗賊に捕まり、ありもしない罪をなすりつけられ奴隷に堕ちた。

両親とは離れ離れになり消息は不明

旅を始めた頃は何度も盗賊に襲われた恐怖と

焼けた村、奴隷の頃の記憶がフラッシュバックし

夜泣きを繰り返した。


豊と同じベッドで寝る事が多かったが

彼と打ち解けた今はその傾向は見られていなかった

長い期間を費やしてメンタルケアを行なったが

豊は専門家ではない。完全に克服は出来ないだろう。


「ロシィ、今回は留守番にするか?」

「いいえ!わたしはごしゅじんさまにお役立ちしなければなりません!ぜったいについて行きます!」


しがみ付くロシィからは震えを感じた

ロシィを一人にするのは良くないと思い

豊は覚悟を決め盗賊退治へと踏み切った





ギルドのある街から半日程に馬車に揺られて被害にあった村の1つを訪れる

村は村人の食料から冬の蓄えまで全てを奪われ、皆飢えていた。

いつもの様に炊き出しを行い、飢えと渇きを癒す


村長の話によれば盗賊団の団員数は20人程で

傭兵崩れがいるせいで下手に手出しが出来ない様だった


拠点の詳細な場所を聞き出し

乗り込む算段を立てる


何人か村娘が拐われていることから

最悪、人質を取られて手も足も出ない

という様なことも考慮しながら話を進める



「もしもの時は僕の時魔術で人質が傷つく前に制圧する事も出来るがそうそう何十人も同時ってわけにはいかないから本当に最後の手段って事で覚悟してくれ、ギャリオン、投げナイフは出来るかい?」


「はい、狩りで相当慣らしましたほぼ間違いはありません」


「投げナイフを使う場合は盗賊が人質を取り逃げ出そうとした時人質の足を狙うためだ」


「…………人質が足手まといになれば連れて行く事が出来ないからですね」


「そうだ、最も村娘全員が奴隷として誘拐されたのなら逃走運搬用に馬車が用意されているはずだからそこも考慮しよう」


「わかりました」


「ロシィとルルの役目は拠点侵入時の村娘達の避難誘導と応急手当てだ、ロシィ、命の危機が迫ったら容赦は要らない、君に与えた短剣には色んな意味と使い道がある、わかっているね」


彼女は静かに頷くと豊は頭を撫でた


「さぁ、戦いに向けて今日はカツ丼を食べよう!からあげもつけてな!!」



明日朝、作戦は開始される


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