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30.かえるよ〜


激闘の末に剣牙獣の討伐を遂行した一向だったが

その疲れからか、その場でへたり込み

しばしの休息を噛みしめていた。


「さすがに……しんどかった……」


強敵だった変異種を相手に満身創痍の豊は

ただひたすらに呼吸を整える事に勤しんでいる。

明日からはヘイストギアの反動による

筋肉痛との戦いが始まる事だろう。


「ルルちゃん、おねがい」

ヒールで傷を癒す間ギャリオンは

力を使い果たしたのか、何処か上の空だった。


「大変だったがなんとかなったな……。」


「ごしゅじんさま!わたしレベルが6になったよ〜」


「やったな〜!僕も1上がったみたいだ」


きゅるるる


「あぁ〜……鳴いたらダメ〜」

可愛らしい主張が緊張感を解きほぐす。



ロシィがバトルサーベルライガーを

あらかじめ用意した討伐用マジカルバックパックに収めた後に


豊は【過剰なる糧】を発動。手を洗い、おにぎりを頬張る。

ギャリオンもご馳走になり、夢中でおにぎりを平らげた


「おいしー!」

「ふひぃ~~~!戦いの後のメシは格別ですなぁ~!」


「こんな……ンクッ!美味いものかあるとは……ググッ!驚きです!」

「はい、お茶だよ〜」


ロシィが出してくれたお茶を飲み

一息つく一行


「いやしかし、覚悟はしていましたがまさかこんな事になるとは思いませんでしたよ、お二人が居なければ今頃天に召されていたでしょう。本当にありがとうございます!」


「こちらこそギャリオンの手際と戦闘の才には助けられたよ、思惑通り弱点を攻撃してくれたし」


ピョンピョン

「ルルちゃんもがんばったもんね〜」


「あぁ、ルルのヒールがなかったら危なかったな」


「えっ、アレってロシィちゃんじゃなくてそのカエルの魔術だったんですか!?はぇ〜すっごい……」


ピョンピョン


「ルルちゃんってよんであげてね」


「あっ、すみませんルルちゃん、本当に助かりました……」


「そして、ロシィのお役立ちはこれから真価をはっきするのである」


「はっきするよ〜!」



戦果を詰め込んだ討伐用バックパックをヒョイと持ち上げ下山する


「なんでアレだけの体積がこの中に……?」


「わたしのマジカルバックパックはたくさんものが入るんだよ〜」


「空間魔術の一種なんだ、バックパックの容量の十倍以上が入るようになっている」


「ごしゅじんさま、今は20倍だよ!じゅくれんども上がったし!重さも軽くなった!」


「やったな〜ロシィ〜〜!」

「わ〜い!」


「空間魔術の使い手がこの世に存在するだなんて驚きですよ、あーオレにも使えたらなぁ〜商人になってどかっと儲けるのに……」


「商人か……その手もあるなロシィ」

「たのしそ〜!ロシィもやる〜!」




下山した後村で一泊し、馬車で再びギルドのある街へ戻った。



ギルドで討伐達成の受付を済ませる

「討伐頂いた目標が変異種との事でしたので冒険者組合本部より特別手当が支給されます、それでは査定の詳細です」


討伐基本報酬、ギルダム銀貨300枚

特別手当、ギルダム銀貨150枚

目標の素材売却、牙、爪、毛皮、目玉、骨、計638枚


「合計ギルダム銀貨1088枚になります」


後ろの冒険者から様々な驚愕の声が上がる


「1人辺り銀貨362枚、余りはギャリオンにあげるよ」


「よろしいのですか……!助かります!コレでしばらく村は安泰だ……」



報酬を分けるためにギルドの奥のテーブルを借りて話をする事になった。

額が大きいのでやり取りは慎重に行わなければならない。

これは冒険者同士が組んだ時の大事な決まり事である。


「最初に出稼ぎと聞いていたけど、ギャリオンの村はそんなに困っているのかい?」


「はい、オレが定期的に儲けを渡さないと農作物が取れない期間は皆飢えてしまう状況でして……」


彼の様子からは村の深刻な状況が伺える。

豊は思考を巡らせ、少し間をおいて話を切り出した。


「良かったら力になるよ」


「いえいえ!今回とてもお世話になった上に村の事まで手伝ってもらうなんてそんな悪いですよ!」


「だいじょうぶだよギャリオンちゃん、ごしゅじんさまは人々を助けるのが使命なんだから!」


「その通りですぞロシィ、実は僕たちは各地方を巡り救済の旅をしているんだ、フォルトゥナ教団という名前でね」


「噂は聞いた事あります!なんでも食料品から衣類必要物資まで揃え、知恵を授け人々を救う話!まさかお二人がそうとは!」


「だから気にしないでいいんだ、僕たちはそういう団体だから」


「なんという慈悲深き心……!お願いします……是非村においでください!」


「わかりました、行きましょう」


「よろしくお願いします……!」


こうして豊達はギャリオンの村へと行く事となった。

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