19.開拓の村③
紆余曲折あって更に2週間
フォルトゥナ教団の設立から
技術の使用権利まで、しっかりと契約は交わされ
今後の村の発展が望まれる
領主も人々の救済活動には何かとお金がかかるのも理解し
国との交渉は円滑に進んだ
領地内で資源が見つかっても利用できなければ持ち腐れ
そこへ即戦力、今すぐ金儲け出来る技術の提供が可能な団体があると聞けば
国もやぶさかでは無い
提案された利益の割合も思った程欲張りではなかったので円満であった
「何から何まで本当にお世話になりました、食料の提供に技術開発、開拓の支援までしていただけるなんて……」
「いえいえ、これもフォルトゥナ様のお導きですから人々の救済の為にも今後ともどうぞよろしくお願い致します」
「ええ、今後とも良い関係でありたいものですね、孫達と未来のためにも」
「「ねー」」
ロシィとパメラはこの滞在期間で随分と仲良しになった
「領民達が住む為の居住区、観光地区、商業区の開発などもユタカ殿の協力により着々と進んでおります、もはや温泉街への発展も夢ではないですな!」
「そういえばフォルトゥナ教団の為に教会を作っていただきましてありがとうございます」
「いえいえ、材料はユタカ殿が用意したのですし……よろしければここを本拠地に構えて頂いても……フォルトゥナ教聖地として更に発展があるやもしれませんし……」
「はは……この国が熱心な宗教国家でなくて助かりましたよ……」
契約の関係で滞在した期間中豊は
食料支援から開発支援までこなし
今では開拓地とは思えぬ程急成長していた
マッドロンを利用した農業を伝え
自給率は向上し、誰1人飢えることなく
日々を生きる事が出来た
その間ロシィはパメラと過ごし
アルバドのご厚意で剣術、座学を共に学んだ
アルバドの剣は二刀流による流れるような剣技【シャムシール】
時には相手の力を利用し、体全体で戦うロシィ向けの技術だ。
また、豊が教鞭をとり
開拓民の子供達も交えて勉強会が行われた
大人の中には自ら学びたいという者も現れ
子供も大人も一緒になって学んだ
勉強会の後には炊き出しを行い
魔術で出したからあげも振る舞った
豊が滞在した約1ヶ月の間に
皆文字と四則計算を憶え
今後の為にと【時を駆ける創造】
を用いて石製の浮き彫り絵の
解説付き文字盤表を残した
現代にある教育あいうえお盤である
本が高級品であるこの世界で
誰でも閲覧出来る「浮き彫り文字盤表」は
今後フォルトゥナ教会に保管され
人々の役に立つことであろう
「随分と長居をしましたが次に救いを求める人々の為にまた旅に出ようと思います」
「おぉ、そうですか遂に……引き止めたいところですが我々以外にもあなたの救いを求めている方々はたくさんいる事でしょう、このアルバド・シャムシール、ユタカ殿に何かあればいつでも協力は惜しみません、何なりとお申し出ください」
「ありがとうございます。」
こうして開拓地でしばしの時を過ごした豊達
ロシィはパメラと再会の約束を交わし
2人は再び救済の旅へと臨むのであった




