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三題噺 「ネコ 海苔 先手必」

作者: 雄獅瑠琥姫

単なるSSです。

カアアァァァァンンン、と高らかにコングが鳴り響いた。

と同時に歓声がわき、地震がおこったように揺れていた。


「にゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

「うにゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」


雄叫びと共に2匹の猫が走り出した。

1匹は忍者のような姿で2本の小刀を逆手に、1匹は騎士のような姿で身の丈ほどの両刃剣を持っている。

忍者猫は騎士猫よりも身軽な装備に加え、足の速さが優っているのかコロシアムの中央で両者がぶつかり合うことがなかった。

素早さがないことが分かっていたのか、騎士猫は剣を肩にかけていた。突撃してくる忍者猫の勢いを利用して先手必勝を狙っている。


カキィィィィィィィィィィーーーー


小刀と剣の金属同士が衝突音が鳴り響く。

しかし、衝突したのは一瞬のことで、忍者猫は剣を滑らせるように横に払って騎士猫の後ろに転がって態勢を整えた。そして、騎士猫の背中に刃を一突きくらわせた。


しばらく耳が痛くなるほどの静寂の中、ドサッ、と音がして騎士猫が倒れた。

カンカンカンーーーーーーーーーーー

試合終了のゴングが鳴ると、再び地響きのような揺れがおこった。


********************************************


「そして、優勝した忍者猫は商品である高級カツオを使ったノリを手にーーーーー」

「いつまでやってんの!」

「って、イタッ」


妄想の世界に入り込んでいた菜月は古夏のチョップにより、現実世界に帰ってきた。


「よくもまぁ、そんな妄想がスラスラ出てくるわねぇ…」

「だってぇ〜、猫可愛いんだもん」

「それでも、睨み合ってる猫とその間にたまたまあったノリの缶詰があるだけだよ?」


古夏は呆れたように言いはなって帰ろうとした。


「あ、待ってよ〜」


菜月も古夏を追いかけて行った。

そこに、夏の終わりを告げる風が吹き抜けた。

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