第十三話『デュアル』
「……『意思』が、無い……?」
ロザリアの口にした衝撃的な測定結果に、マイヤが訝し気な声を上げる。
感情の無い人間など存在しない。同時に、意思のない人間も。シュウは見たことが無いが、操られて意に沿わない行動をとっている人間であっても、その「操られている状態」の意思が反映される。そしてそれは、人間だけでなく魔族も同様であるはずだ。寧ろ魔族の方が、魔術の性質から察せられるように、感情や意思というものには左右されやすいように思える。
だからこそ、イメージしにくい。
一切の『意思』が見えない状態、というものは。
首を傾げるシュウたちに、ロザリアは簡単な解説をしてくれる。
「うーん、なんと表現したらいいのやら。明らかに『誰かがいる』のは確かなんだけど、そこがすっぽりと抜け落ちていて、逆に輪郭だけ見えているような感じ、というか……ほら、聞いたことがないかい? 完璧に隠したり再現したりしすぎると、逆に違和感を持ってしまう、という話」
「ああ……」
それなら分かる。正にイスラーフィールの『情報操作』がそれだ。物事の表面におけるテクスチャを全く別のモノに貼り替えてしまう彼女の業は、あまりにも緻密に再現されすぎているがために、逆に微妙な違和感を抱くことがある。シュウは勿論見たことが無いが、旧文明時代のCG技術なるものも、似たような問題を孕んでいた時期があったらしい。
ロザリアが『展開型ランスロット』で見た風景とは、本来ならば誰かの意思があるべき場所に、ごっそりと虚空が口を開けている――そんな光景だったのだろう。
「しかし、意思の見えない相手、か……うぅむ……」
「難しいですね……」
思わず腕を組みながら考え込んでしまうが、答えが出ない。
『意思の見えない相手』というのは、間違いなく巨大なヒントだ。それそのものが、犯人像に直結すると言っても過言ではない。しかし、その情報を生かして犯人を特定する手段、及びその手段を確立したり、あるいは他の「犯人特定に繋がる情報」が足りな過ぎるのだ。
意思の見えない存在。
どういう状況で、どういう条件を持つ者が、それに該当するのか。現時点では検討のつけようがないのだ。
唯一あるとすれば、意思の欠損の仕方が、「廃棄されたような」というロザリアの感じた印象がそれだが―――
と、その時。
小さな足音と共に、鈴の音のような、しかし今日この瞬間に限ってはやたらと掠れた声が聞こえた。
「お、おはようございます、お兄様……青髪……と……そこにいらっしゃるのはルーズヴェルトさんですわね……どうしたんですの、こんな朝早くから」
「その声はエリナか。おはよう――」
振り返ろうとしたシュウは、瞬間、背後に立っているであろうエリナ・フェリドゥーンの雰囲気に、強烈な違和感を感じる。普段とは纏っている空気が違うと形容すればよいのか――兎に角、いつもの明朗快活に「おはようございます、お兄様!」と飛びついてくるエリナのそれとは、大きなずれがあった。
そしてその理由は、すぐに判明することとなる。
シュウの目に飛び込んできたのは、目の下に濃い隈を作ってグロッキー状態のエリナの姿だった。煌びやかな薄金色の髪の毛はぼさぼさで、心なしか纏っているシスター服もどこかほつれている様にさえ見える。爽やかな午前の日光の中にあってなお、彼女の周囲だけが暗い夜の帳に沈んでいるかのようだった。直立もままならないようで、ふらふらと佇むその様子をみると、今にも倒れてしまいそうである。というか、今まさに大きく足下を滑らせて倒れた。
間一髪シュウが彼女を支えると、エリナは「ああ……お兄様の匂い……思ったよりも腕ががっしりしていらっしゃる……嗚呼……」などと呟きながら弱弱しい笑顔を浮かべる。
「……どうしたんだ一体」
「あ、侮っていましたわ……魔族の行動力と体力……というかあのお方、夜行性ですの……? 夜になればなるほどどんどん……活発、に……」
語尾に近づくにつれて、どんどんと尻すぼみになっていくエリナの声、しまいの「に」の部分に至っては殆ど聞き取れなかった。
これは重篤だぞ……一体何が……と慄いたところで、シュウは昨日のエリナが何をしていたかを思い出す。
そして同時に、彼女が今僅かながらにも意識を保っていることに対して、別の意味で戦慄した。
「まさか……夜通しアリアちゃんの相手をしていたのですか!?」
同様の結論に至ったらしきマイヤが、顔面蒼白で叫ぶ。その問いに、エリナは非常に緩慢な動作で、小さく頷いた。思わずシュウはマイヤと顔を見合わせてしまう。
アリア=ザッハークという少女は、華奢な外見と儚げな印象に反して、非常に活動的かつ体力がある。外見や知性は16歳前後の少女のものだが、興味関心は言動に似て若干幼げなところがあり、絵本を読み聞かせたり積み木で一緒に遊んだりすると大層喜ぶのだが――その尋常ではない体力故に、いつまでも遊び続けるのだ。シュウとマイヤも以前、アリアの遊びを相手するのに疲れ切り、その場で意識を失った事がある。
「え、えーっと……どういうことだい? 彼女に何があったんだ?」
状況が把握できていないロザリアだけが、困惑気味の表情で問いを投げてくる。そう言えば彼女と会ったのは医務室の前であるので、エリナが既に学園長棟へと戻ったあとだったのだ。つまり彼女は、昨日から今朝にかけてエリナの身に起こった事を予想できない、ということである。
本当は昨日、エリナも一緒に医務室に向かう予定だったことを説明する。学園長棟に立ち寄った際、調子が悪そうだったアリアを心配して、エリナに彼女の相手を頼んでいたのだが。
「……その様子だと、アリアの部屋には入れて貰えたのか?」
「ええ……意外にもすんなりと……それに、お兄様が心配していらした体調の事ですが……単純にほかにやりたいことがあっただけらしく……」
「ああ……アリアちゃんは興味があることを見つけると暫く動きたがりませんものね……」
シュウたちは女子寮の広場に設置された小型の噴水――寮エリアの中心たる噴水広場のそれとくらべて、三分の一ほどの大きさだ――から水を汲み上げると、シュウのハンカチをそれで濡らしてエリナの顔をぬぐう。暫くすると、少し元気が出てきたのか、大分楽そうな顔になった。
「あああお兄様のハンカチ……私の顔をお兄様の匂いが通過する度に……はぁはぁ……元気が出てまいりますわ……ふふふふふ……」
「君の生態は時々良く分からないな……」
同時に、顔にハンカチが当てられるたび、妙に興奮した様子で必要以上に息を吸い込む様子が若干気持ち悪い。女の子に対する表現としては極めて不適当だと感じるが。
匂いだけで疲労が回復する、などということはあるのだろうか。確かにアロマ療法なるものがあったり、森の中で自然の匂いを嗅いでいると、力が溢れてくるような気分にはなる。それを思うとあながちあり得ない話ではないのかもしれない。何より、『病は気から』ともいう。極東大陸の旧い諺で、それによれば病気や疲労は気の持ち様によって、良い方向にも悪い方向にもいく、らしい。
実際には、何か心配事があると治る病気も治らなくなる、といった原義らしいが……案外、好きなようにさせていた方が良いのかもしれない。
「ああ、大分楽になってまいりました。ありがとうございます、お兄様」
「とんでもない。俺の方こそ、アリアの相手をしてくれて助かった」
「いえいえ。以前にも申し上げた通り、私も彼女と一度きちんとお話をしたかったですし、それに……うふふふ……なかなかどうして手ごわい相手ではないですか……ですがしかし、ここで青髪と銀髪を乗り越えてこそ、お兄様との真実の愛にたどり着けるというもの……」
「……?」
ぶつぶつと何やら変な事を呟くエリナ。よく聞き取れない。やはりまだ調子が悪いのだろうか。その様子にロザリアが「へーえ、ふーん、ほーん」などと妙な相槌を打った後、「大変だねフィルドゥシーも」「問題ありません。私の地位は揺るぎませんので」「へぇ、大した自身だ」などと意味の分からない会話をマイヤとし始める。何か女性陣にのみ感じるところがあったのだろうか。最近は大分改善されたとはいえ、いまだシュウは他人の内心を慮る力に自信が無い。
なんとかしなければなぁ……しかし一体どうしたものか……などと悩みながら、シュウは天を仰ぐ。
「しかし良くここまで歩いて来れたな……夜遅くまでアリアと話し込んだり、遊び相手になったりするのは、慣れている俺達やイスラーフィール学園長でも相当大変だぞ」
「アリアちゃんもきちんと魔族なんだな、というのを痛感させられますよね……」
余り知られていないことではあるのだが――魔族だけが持つ、人間とは異なる能力の一つに、「夜になればなるほど活発になる」というモノがある。夜行性というわけではないらしく、そのうち普通に眠気を訴えるのだが、その時間が人間と比べて非常に遅いのだ。加えて——これはアリアだけの特徴なのか、魔族全体の特性なのかは分からないが――徹夜をしても体調的に全く問題がない上、そもそも睡魔が訪れないことさえあるらしい。
以前イスラーフィールが推測した所によれば、悪性存在の頂点に立つ魔族は、睡『魔』に対して耐性を持つのではないか、とのことだったが……とどのつまり、下手をするとアリアは、数日間延々と活動し続ける、ということだ。
運の悪い(?)ことに、アリアは極めて好奇心旺盛な娘だ。本を読んだり、何か工作をしたりするだけでなく、他人の話を聞いたり、他人に自分の思ったことを伝えるのも大好きである。彼女が「ねなくてもだいじょうぶ」と判断した日にアリアと遊んだりすると、文字通り睡眠時間が吹き飛ぶこととなるのだ。
そしてどうやら、昨日は丁度その「ねなくてもだいじょうぶ」な日であったらしい。エリナによれば何かやりたいことがあったらしいので、工作でもしていたのだろうか。アリアは手先が非常に起用だ。紙細工の動物を作っているのを見たことがあるが、一つ一つのパーツがともすれば破れてしまいそうなほど精緻に組み立てられており、一体何がどうなっているのかと困惑したのを覚えている。
「よっこいせ……ああ~すっきりしましたわ。やはり愛の力ですわね!!」
「何を言っているのでしょうこの金髪は……愛は愛でも博愛に決まっているではないですか」
「何ですってこの青髪。正妻気取りも度が過ぎるとくどいですわよ」
調子を取り戻したらしいエリナが、妙に年寄りくさい掛け声と共に立ち上がる。輝くような笑顔で愛を叫ぶ彼女に対して、マイヤが正反対のジト目でぼやき、そしてそれに過剰反応したエリナとの間で火花を散らす――そんないつもの光景が戻ってくる。
「そうだ、これから医務室のアルケイデス先生の所に報告に行くが……今日はエリナも来るか? 固まって行動した方が、何かと都合も良いかと思うのだが」
「是非是非! ……と言いたいところなのですが……」
と、そこでエリナは言葉を切る。直後、音もなく、という表現が似合うほど静かに、祝詞が紡がれた。彼女の右手に巨大な銀の十字架が、碧い雷をまき散らしながら現出する。飛び散った雷電が、噴水を囲む芝生の表面を薄っすらと焼き焦がした。
「私、実はこの後実習がありまして……」
「実習? まだ長期休暇の間だが……」
「四の月の初めに在った実技テストの事ですね。そう言えば休んだ人は今日が再試験日だったはずです」
脳裏でスケジュール帳の頁をめくるシュウに、マイヤが説明を入れてくれる。それなら納得だ。エリナは五の月の初日に転入してきた。そのため、四の月の初めにあったテストなど受けようもない。しかし実技テストというのは、その後の生徒への個別指導などに役立つ重要な記録を学園側に残してくれる。樹海遠征だけでは分からない、細かい部分の癖や欠陥を直したり、良い所を伸ばすためには大切なものとなる。
「俺には頑張れ、という事以外にできないが……」
「それだけで十分ですわ。行ってまいります、お兄様」
「ああ、いってらっしゃい」
にっこり、と、花の咲くような笑みを浮かべて去るエリナ。花の咲くような笑顔、と言っても、マイヤはどこか向日葵や、微笑むときは桜のような印象を受けるが、エリナは白百合や薔薇のようだ。背反するように思えるが、どうにも薔薇の華美さと百合のおしとやかさのようなものが、彼女には不思議と共存して見える。
個人差というのはこういう細かい所にも出るのだと、シュウは妙に感心してしまった。
エリナが立ち去った女子寮の広場で、シュウ達はもう一度事件現場へと戻る。何度かロザリアがその法術を発動させるものの、新しい情報は得られなかった。
「他にヒントになりそうなものと言えば、この焦げ目くらい、かな……」
「魔術の波動を受けた結果できた焼け跡……それも不自然なほどに小規模な、となれば、何かしらのヒントになるかもしれませんね」
焦げ目がついていたのは三か所。地面に一か所、そして左右の壁に一か所ずつ。下手人がいたと思しき通路の向こう側から、リズベットが立っていたと推測される通路の広場側に向けて、一直線に何か太いエネルギー波が照射されたことを裏付ける、指向性のある焦げ跡だった。
黒こげになっている、というよりは、火で炙った、という表現の方が正しいように思える。それくらい表面的でうっすらとした跡――
「……ん?」
ふと。
シュウはその焦げ跡に、妙な違和感を覚える。法術も魔術も使えない呪術師として、ずっと誰かの業を見続けてきたシュウだから。そして、マグナスの凶刃から、最愛の後輩と大切な友人を救うために、法術と魔術のどちらもを操ったシュウだから。
見逃すはずもない――見逃してはならない、違和感だった。
「……マイ」
「お呼びですか、先輩」
「頼みがあるんだが……『光輝女神の怒り』で、どこかに焦げ目をつけてくれないか」
「『怒り』で、ですか? 構いませんが……」
「確かめたい事がある」
シュウの真剣な表情に何かを感じたのか。あるいは、マイヤの事だから、そんな表情をしていなくても、力を貸してくれたかもしれないが――どちらにせよ、マイヤは祝詞を解放する。
「我が正義に光をくべよ――虚ろなる者に断罪あれ。『光輝女神の怒り』」
誰かの定めた天則ではなく、己の掴んだ愛情へ。シュウ・フェリドゥーンを対象とした信仰の詩が、ひと時の奇跡を地上にもたらす。
マイヤの背中に、光の翼が広がる。同時に虚空へと口を開けた光芒の扉が、巨大な光の剣を伸ばした。巨木さえも容易に叩き切ってしまえるほどの幅を持ったその光剣は、しかし高速で伸長した後広場の地面をかすめ、薄く焦げ跡を残すだけにとどまる。
直後、マイヤが光の翼を消すのに伴い、剣もまた何処かへと消滅した。
「ありがとう」
「いえ、このくらいなら何度でも」
マイヤは涼しい顔で微笑む。本当に頼りになる子だ。
「改めて見ると、規模だけじゃなくて制御性が凄まじいな、フィルドゥシーの法術は……武装型と展開型の法術には天と地ほどの出力差がある、というのは良く聞くけど、単純にそれだけじゃ計れないきがするよ、ボクは」
ロザリアが感嘆のため息を漏らす。
恋人としてのフィルターをかけて贔屓目に見ずとも、マイヤは非常に優秀な法術師だ。『光を操る』という点に特化した彼女の法術は、ありとあらゆる状況に対応できる極めて高い柔軟性を持つ。おまけに力の本が光だからと言って、夜には出力が下がるのかと言えばそんなことは無く、背中に広がる翼を媒体として、常にハイコンディションで光の剣を駆使できる。
加えてマイヤ自身の高いセンスにより、戦闘・非戦闘の場面を問わずに威力を発揮する。特に光が法力で構成されているため対魔物戦闘に滅法強く、大型の魔物さえ一撃で倒してしまう。
その力の拠所が自分への愛だというのだから、シュウとしてはなんとも面映いものなのだが。たまにひどく恥ずかしくなる。
自身の意思とは無関係に赤くなる頬を隠すように、シュウはマイヤが付けてくれた地面の焦げへと意識を集中させる。
――そして、違和感は、確信へと変わる。
「法術だ」
「え?」
「あの焦げ目をつけたのは、魔術ではなくて、法術だ。限りなく魔術に近くはなっている気がするけど……というより、術自体は魔術、か……?」
シュウの感じたものは、温かい、信仰の光。しかしそれが嵌め込まれたのは、深い憎悪と激情に彩られた、破壊の術式。かつてズルワーンに託された『スラエオータナ』によって発動させた、レプリカから察するに——これは、確かに『魔術』だ。
しかし同時に、法術でもある。一体どういうことなのか……と、シュウが頭を悩ませていると。
「まさか……先輩は、法力が認識できるんですか? 存在するかもわからない、伝説上の物質が?」
ロザリアが瞠目して問うてくる。ああそう言えば、法力は一般的には未確認のままなのであった、と、今更ながらにシュウは気づく。知らない間に、随分と特別な立場に置かれているらしいぞ自分は、と心のどこかに、己をそんな状況に置いている張本人であることが間違いない学園長への、なんとも言えない感情を抱く。
「イスラーフィール学園長によれば実在するらしい。実際、それが形を持つところを、俺もこの目で見たことがあるが……以前ちょっとしたことで、ぼんやりだがそういった法力や魔力を認識できるようになってしまってな。集中しないと把握はできないんだが」
マグナス・ハーキュリーとの戦闘で掴んだ、法力と魔力を操る間隔。あの戦闘の後、長い間の修練の末、シュウは法力や魔力を限定的に感知する力を手に入れている。今回はそれを使った、ということだ。
思い違いの可能性を考慮して、シュウはマイヤの法力の感触が消えないうちに、焦げ目へと意識を収束させる。
――そして。
間違いない、という答えを、得るのだ。
「リズベットさんを襲ったのは、かなり高い確率で人間だ」
それはきっと、この場において最大の鍵。
犯人を特定するために必要なトリガーの、中核を成すモノ。
魔族にも法術が使えない、というワケではない。しかしその場合、正式に法術を発動させた場合とは挙動が異なることが、以後何度かアリアが実験を行ったことで判明している。以前彼女が事故で法術を発動させてしまった事があったが、あれは法術の発動条件――即ち法力を動かすための「信仰」を使わず、己の魔力で無理やり法力を動かしているような状態だったらしい。ズルワーンの加護を得たシュウが、呪術によって再現していた疑似法術――あれに限りなく近いものだ。
この焦げ目は、恐らくその逆――法力を媒体として発動された魔術という、極めて異例な術式によってつけられたものだ。
シュウ達は一度、顔を突き合わせる。互いの意見は一致していた。
「一度医務室に向かおう。現時点では細かい調査をしようにも、何もかもが足りないからな」
「そう言えば、数日前にアルケイデス先生が飛ばした伝書鳥が、そろそろ帰ってくる頃だそうですよ。最新の、とはいかずとも、央都のイスラーフィール先生から何か新しい情報を得られるかもしれません」
空を見れば、どこか雲行きが怪しくなっていた。天気が悪くならなければいいのだが――そんな事を祈りながら、シュウは医務室のある中央棟へと足を向けた。
試験的に夜中に更新してみています。実際夕方とどっちのが喜ばれるんですかね?




