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月のポエム  作者: 岩本翔
25/36

月光の街25

ふとその考えがトーンダウンして母親の声に変わりヒロに「ヒロ、死なないで」と呼びかけた。

拘束衣を着せられたまま、パンと牛乳を半ば強制的に口に押し込められ、それを涙ぐみつつ飲み込むと、急速に睡魔が襲って来るのだが、電流の針に全身を刺され締め付けられて眠る事は出来ない。





その繰り返しが更なる妄想を呼び起こし、時間概念が失せた状況の中、ヒロは自分が生きているのか死んでいるのか、判別出来なくなっている己の心を無機質な面持ちのままにじっと凝視する。





凝視しているのは、己の心をその静止画像の光で撃ち抜こうとしている逆回転する独楽の死に直結する落下であり、その死の画像の落下は己の心の投身自殺そのものであり、狂気の中の正気を見いだせないまま、犬死にに結び付いて行く。





ふとその考えがトーンダウンして母親の声に変わりヒロに「ヒロ、死なないで」と呼びかけ、ヒロは充血した眼を見開き涙を流しながら「トイレに行かせて下さい!」と大声で叫び声を上げた。

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