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月のポエム  作者: 岩本翔
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月光の街24

廊下にあるトイレに入り用を済ませながら、ヒロは脱出する突破口が無いかを窺う。

拘束衣を脱がされ、見張り役の監視下の下、廊下にあるトイレに入り用を済ませながら、ヒロは脱出する突破口が無いかを窺う。





接触する人間は見張り役一人だけで、人が近くにいる気配は無い。




それは一見すると、見張り役の眼さえ盗めば、脱走可能だと思える状況なのだが、逆だとヒロは感じる。





無人のマンションは無人故に緻密な計算の本に監視網が厳重であり、脱走は不可能なのだ。





そう考えるとヒロは絶望感にうちひしがれ、涙ぐみ、泣きそうになったのだが、何とか堪え、その涙を手で拭い、狂気の中の正気についての項目を考える。




すると逆回転する独楽の満月の弾丸が心を掻き回し、そのまま自分が静止画像の満月になれば良いという考えが閃き、その考えは狂気の中の正気なのかと、自問自答して、それは狂気の中の狂気であり、違うという結論に至り、ヒロは歎きのままにもう一度涙を拭い、便座から立ち上がって、レバーを指で捻り、泣き笑いの表情を浮かべ小刻みに震えるままに水を流した。

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