表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
月のポエム  作者: 岩本翔
10/36

月光の街10

下弦の月に映し出された花束の光沢は、まるで静寂なる死の歌声をその音なき琴線で醸し出し、ヒロの辛い悲しみの吐息を、何処か愛でるように夜のしじまを作り出している。

病室の窓を通して下弦の月が見える。





静寂に包まれた病室の中は暗く、その分月明かりに眼が行く。





マスターが活けた花束がその月明かりに映し出されて、息を呑む程に美しい。





背もたれを上げたままヒロは一つ吐息をついた。




下弦の月に映し出された花束の光沢は、まるで静寂なる死の歌声をその音なき琴線で醸し出し、ヒロの辛い悲しみの吐息を、何処か愛でるように夜のしじまを作り出している。




ヒロは一人ぼっちで考える。





きっと満月ではなく、この下弦の月のような女性を好きになれば、自分の人生も違うものになっていたに違いないと。





華やかな満月は玩具の街への試金石となる分、命懸けであり、それは塗炭の苦しみと言ってよいものだ。





もがき苦しみに慣れる事は有り得ないとヒロは考える。





玩具の街で満月の女性は待ち受けているのだろうかと考え、包帯を巻いたヒロはもう一度悲しい吐息をついた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ