月光の街
すいません。記載ミスです。連載小説という形でエプリスタの詩を部分修正して描きます。よろしくお願いします。m(__)m
ヒロは満月が好きだ。
だからヒロは満月の夜に恋をする。
勿論ヒロが好きになるのは満月のような感じの女性なのだが、その感じに背反して、女性はヒロに対して冷酷に振る舞う。
「あんたね自分の顔を見てから、告白しなさいよ。私とあんたじゃ、月とスッポンの差じゃない。身の程知らずにも程があるじゃない。この言葉の意味分かる、あんた?」
ヒロが答える。
「でも僕は満月の感じがする君が好きになったから告白したのであり、それは明らかに正直な気持ちであり、嘘はついていないのだけれども…」
女性が嘲笑う。
「あんた、月とスッポンの意味分かっているの?」
ヒロがおろおろとしながら答える。
「それは何となく…」
女性が再度嘲笑い言った。
「いい、私は月、あんたはスッポン、だから隣街のムーンライトというクラブに勤めている満月という娘の首を取って来たら、あんたは月に告白出来る資格を手に入れるのよ。その意味は分かるわね?」
ヒロが驚き言った。
「首を取ると言うのは殺せという事ですか?」
女性が愉快そうに笑い答える。
「ピンポン、その通りよ。君はスッポンのくせに物分かりがいいじゃない」
カウンターバーの中、二人のやり取りを他の客や店員が好奇心丸出しにして聞き耳を立てている。
ヒロが狼狽しながら言った。
「ぼ、僕に人殺しなんかは出来ません…」
「それならば、あんたに告白出来る資格は無いという事ね。明日出直して来たら、お馬鹿さん」
顔面蒼白のままヒロが尋ねる。
「殺す相手の名前をもう一度教えて下さい」
「源氏名満月、本名仁科かおる、巨乳の阿婆擦れ馬鹿女よ」
ヒロが静かに息を吐き出し言った。
「その女性は簡単に殺せるのですか?」
「それは簡単に殺せる訳が無いから面白いのよ。つまり殺し合になるから、告白出来る資格が生じるのよ。こんな簡単な理屈分からないの、あんたお馬鹿さんね?」
ヒロが戸惑い顔のままに答える。
「分かりました。隣町のクラブムーンライトの満月さんですね?」
女性がほくそ笑み答える。
「そう見事首を討ち取ったら、私、あんたとつ、き、あ、って、上げるから、頑張ってね」