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佐々木望18歳 人には言えない俺の秘密

篠宮楓さん作31日目に君の手を内のバレー部仲間の佐々木君のお話。

佐々木君の他におまけでちょろっと辻君も出てきます。

快く、佐々木&辻を貸し出して下さった。篠宮楓様本当にありがとうございます。

佐々木望、18歳。バレー部所属。でもそれは表の顔。もうひとつの彼の顔は?

「ねぇ、のぞむちゃん。今年のお洋服を会わせてちょうだい」

「今年…あり得ない位暑いんだけども…ズラ被るのやだから」

「大丈夫よ。今年はあんたのそのクルクルが生かせるのにしたから」

「…分かったよ。着てくる」

リビングで寛ぐ従姉妹達を尻目に俺は彼女達から貰った衣類を持って洗面所に。

従姉妹達は立派な腐女子だ。そんな彼女達に巻き込まれて、俺は幼い頃は男の娘に、

今はそこそこ名の知られたコスプレーヤーになった。

従姉妹達の手によって俺の脚や腕は脱毛処理されていてツルツルだったりする。

夏にズラは本当にきついんだぜ。今年は地毛でいいって言うけど…妙に黒い衣装だな。

しかも、シルクハット風の帽子って何だ?なんか竹かごのバスケットも小道具みたいだ。

…なんとなく分かる。これは…某イタリアンファンタジーのヘタレキャラでは?

仕方なしに着替えてみる。衣装の方は、俺の為にあつらえた位にジャストフィットしていた。

で、鏡を見て確信する。今年は移動しながら『お嬢様』とやるのかと。


「こんなん?」

俺は従姉妹達の前に衣装を着て見せた。

「おぉっ。上出来。今回はこれでよろしく。それと、10月のイベントもこれでよろしく」

10月…乙女ゲーイベントもコスで行けと…部活引退したからやれるけどさ。俺受験生なんだが。

「のぞむちゃんは、推薦でいけるんでしょう?だったらイベントは大丈夫」

「もちろん、冬は期待しているから。カツラで先輩なんかもいけるよね?」

「あぁ、あの白い服!!いいねぇ。はい、採用」

俺の予定は一切無視で進んでいく。拒否なんて言葉はない。

「あのさ、今回のこの手数料は何?」

いつも、衣装を着るときに何らかのご褒美をくれる。

彼女達と一緒にいるが故に、立派な乙女ゲーマーになってしまった。

従姉妹達が言っていたジャンルは当然フルコンプ済みだ。

突っ込みどころ満載だが、ギャルゲーとそんなに大差はない。


男女そろって欲望のベクトルは同じとみた。


そんな俺のセクシャリティーはもちろんノーマル。至って健全。

男の娘だった過去は完全に封印している。あれは高校に入るまでだった。

高校で、俺一気に成長して男らしくなったからな。これでも。

コスをしている時の名前は『のぞみ』本名は望と書いてのぞむだ。

出産ギリギリまで女の事思いこんでいた両親はこの軌道修正しかできなかったらしい。

中学までは、この従姉妹たちにいいように玩具にされていた。

コミケには中学に入ってから、毎回強制参加。

今では男らしくなったけど、当時は天パと焼けにくい肌と身長のせいで女の事言われがちだったのをいいことに、男の娘になっていた。

最初は嫌だったけど、従姉妹たちに手で変えられる自分が周りに受けているのが楽しくて言われるままにそっちの道に。

…とは言っても、通常運転の彼女たちはいわゆる腐女子。俺がやってるサッカーゲームもカードゲームもそっちの方向に変換していく。

それは最初は嫌だったけど、俺には強制する訳じゃないから気にもしていなかった。

ギャルげーもやったけど、どうも共感できなくって、従姉妹所有の乙女げーと借りてプレーして…思い切りハマってしまった。

今回のイタリアンファンタジーも歌の王子様も天文学園もプレー済み。シナリオに突っ込みながらプレーしてしまうのが俺のくせ。

ようやく18歳になった俺はようやく大人なゲームもプレイするように慣れた訳で…今回は大正悲恋をコスするのかと思っていた。

どうせ、そのうちやるんだろうけど。ところで、今回のご褒美はなんだろう?



「ねぇ。今回のご褒美は何?」

「そうそう、忘れていたわ。とりあえず、これ食べなさい」

コスを試着して終わって部屋着に着替えた俺は従姉妹たちにご褒美を催促する。

冷蔵庫から出されたものは、俺の大好きな北海道メーカーの生チョコと初恋ショコラ。

「うーん、生チョコも食べたいけど、初恋ショコラ食ってもいい?」

「どうぞ。少しだけ…お手伝いしてね?」

お手伝い…あぁ…デッサンですか。いいですよ。裸体でデッサン…一応パンツ履いてるよ。

俺は初恋ショコラを手にして、マジマジと見つめる。

とにかくクラスの女子が大絶賛お勧めのコンビニスイーツ。

普段は男子バレー部なんて男臭い所に席を置いているので、練習後に甘いものを食べることはよくある。

けど…これだけは流石に買えない。そりゃそうだろ?男だらけの集団で買ってみろよ。

腐女子がいたら、一発で脳内変換されるんじゃない?リアルでは女の子には縁がないけど、そこそこの容姿をもった部の仲間と一緒では買うのには勇気がいる。

いつもは、地元のコンビニで一人の時に買っていた。最初は勇気が言ったけど、今では躊躇う事もなく購入できる。

テレビでCMをしているアイドル達が『男の子にも食べて欲しいな』なんて言ってからは男の俺達も買いやすくなった。

でも…キャッチコピーが照れる。『ケーキが好き?僕のキスが好き?』だもんな。

こんな事を言われたら、世間の一般的女子は腰砕けになってしまうんではないだろうか?

不幸にも、俺には彼女はいない。いつかは…そんな人が出来て一緒にケーキを食べて…そして囁く。

うわぁ。マジ照れる。けど…一回は言ってみたいよなぁ…俺はそんな事を妄想しながらスプーンを手に取った。



「はい、ストップ。暫くそのまま」

どうやらデッサンポイントに入ったようだ。そんな俺のささやかな妄想まで寸止めだなんて。

悔しいから、そのまま俺は妄想の海にダイブして楽しむことにした。

彼女は…さらさらの黒いロングヘアーで僕と一緒にソファーに座っている。

さっきまで向かい合って楽しく会話をしていたのに、初恋ショコラを一緒に食べようと言う事になって無言になる。

でも、それも嫌じゃない。彼女が俺の事をそれだけ意識してくれてる事が嬉しいから。

「それじゃあ、食べようか?」

俺は彼女を促すと、彼女もほんのりと頬を染めて頷いてくれる。

ゆっくりと一口ずつ口に入れていく。濃厚なチョコレートの香りと口に入れると蕩けていく食感が堪らない。

チョコレートって部活の後とかってすっごく美味しく感じるんだよな。

ひと匙掬った状態でフリーズ状態の俺はノリノリで妄想を始める。

俺はカプチーノで彼女はカフェラテと共に会話もなく黙々とケーキを口にする。

そんな彼女とキスは…まだ1回だけ。それも触れ合ってすぐに離してしまったキス。

その次を密かに望んでいた俺は、今日のこのチャンスをぜひともモノにしたい。



やがて、俺は食べ終わって彼女を観察することにした。

「なあ、俺やりたい事があるんだ。…してもいい?」

彼女はコクンと頷くので彼女のケーキを取りあげた。

「えっ?なんで?」

「うーん。どうしてかなぁ?あーんして?」

俺は、彼女の口元に初恋ショコラを運んでいく。

「えぇ!!」

「ほら…あーんして。一度やってみたかったんだ…嫌?」

彼女は恐る恐る口を開いた。俺はゆっくりと口に運ぶ。

そして、ひと匙掬う。彼女の顔が真っ赤に染まってしまう。可愛いなぁ。その頬にキスをしたいけどまずはケーキを食べないと。

「もう少しで終わるから。もう一度…あーん?」

「あーん」

彼女が従順に口を開き始めた。俺がそれ以上の事を今はしないと思っているようだ。

それならそれでいい。彼女は俺の思惑にまだ気が付いていないようだ。



そしてケーキは空になる。カフェラテを飲もうとした彼女の手を俺は掴んだ。

途端に、彼女の体が強張る。うん、びっくりするよね。でも今は飲み物を飲まないで。

「ねぇ?ケーキ好き?」

「うん、おいしかったよ」

「そっか。俺は…好き?」

「大好きだよ」

「だよね。じゃあ、俺のキスは…好き?」

「えっ?」

「それじゃあ…してみる?」

俺は顔を傾けて彼女の唇にキスをする。合わせるだけでもチョコレートの味がする。

そりゃそうだ、二人で同じものを食べたんだから。でも…もう少し確認したい。

俺は角度を変えて彼女の唇を堪能する。やがてうっすらと開いた瞬間に俺は舌を差し入れた。

彼女の口腔もチョコの味がする。俺のも…そうなのだろうか?

これは、ケーキが濃かったのか。俺が今しているキスが濃いのか分からなくなる。

徐々に合わせた唇から蕩けて言ってしまうのでは…という錯覚を起こし始めた…。



「はい、食べていいわよ」

俺が妄想全開で楽しんでいたところに、ようやく出た食べていいという言葉。

いい感じなシチュだったのに…リアルに彼女がいないんだから、脳内彼女と楽しみたかったのに。

俺はそんな文句を口にすることなく、ご褒美のケーキを食べるのだった。

やっぱりおいしいなぁ。俺に彼女が出来た時までこのケーキ売っていたらいいなぁと思う俺だった。


おまけ


今年のコミケは暑い。外で待っている一般の人たちは大変だ。

俺?従兄のBLサークルのお手伝いなのでサークル参加のコスプレーヤーというポジション。

スペースの方は、到着して俺が一人で準備。従姉妹?お馴染みのサークルさんめぐりしながらそっちの手伝い。

あぁ、慣れましたよ。肌色の多い薄い本とか。捲ってそうそうのハードなシーンとか。

従姉妹が戻ってきたので、俺は早々に着替えることにした。けど、今日のスペースで俺のコスはどうなんだ?

中の人はどうだっけ?なんて考えながら、サークルのスペースに戻った。

「のぞみちゃん、お友達サークルに差し入れを配りに行ってきなさい。皆さんお待ちよ」

「差し入れ?」

「その籐籠に入ってるから配ればいいのよ。いってらっしゃい」

従姉妹に促されて、俺はサークルめぐりをする。

そうすると、サークルさんが俺を待ちかまえていた。

「のぞみちゃん、今日はヘタレ錬金術師なのね」

「みたいです?お嬢様見ましたか?」

「ここにはいないわ。今ののぞみちゃんをツイートさせてね」

どうやら、サークルさんツイッターに投稿中。あぁ、また人が群がる。

「それじゃあ、気が向いたら遊びに寄ってね」

そういう感じで俺はサークル周りに勤しんだ。途中でも知らない人からのぞみさん…今回も素敵ですってコメントを貰った。



時間になり、俺はしばらくの間はコスプレゾーンにいることになった。

さっきのツイートがどうやら話題になってしまっているとのこと。

仕方なく、スマホを持ってコスプレゾーンに異動する。

その途中で俺は一番会いたくない人に会ってしまった。

俺と同じバレー部の辻が列に並んでいる。アレは…カードゲームの企業ブースか。

どうやら、限定グッズ狙いか。10時スタートで室内にいるってことは…相当早く来たのは分かる。

気付かれないようにさっさとその場を通り過ぎて行った。

この事は俺の胸に留めておこう。それが一番安全だ。

辻に方はバレてもいいが、俺のコスは…バレたら少しだけまずい。

コスのスペースでにこやかに対応しながら、奴が来ない事をひたすら祈る俺がいた。



今年のコミケは8月10日から開催です。

アホな発想に快く了承して下さるなんて…姉さん大好きです。

コス系統はトムトムの趣味全開でお届けしております。

そこの所は苦情を受けません(ってか、普段の活報見てたらわかるよね?)

勇者ではないので、さすがにロボコスは回避しました(笑)

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