嫌なんて選択肢?ある訳ないじゃん
一部の人にはご存じの鬼畜王子ネタ。またの名を息子をネタにするという。
久しぶりに彼女が僕の家にやってくる、お家デートの日。
いつもなら家にいる引きこもりの母を母の友人に頼み込んで温泉旅行に行ってもらう事にした。
流石にお泊まりデートは考えていないけど、夕飯食べてラブラブしててもいいかなって野望位はある。
僕だって、健全な男子高校生。邪な欲望だってそれなりに持ち合わせてはいる。
見た目が、おっとりしていて中性的と言われる顔立ちの為、草食系と言われるけどそんな訳がない。
母さんに言わせると、私に似て立派な鬼畜になったものねぇ。でも、私はドエスじゃないわよ。
あんまりやり過ぎると彼女が逃げちゃうわよ~ときたものだ。
そんなこと言われなくてたって分かるっての。だから、徐々に彼女を本来の僕に合わせてもらえるようにしている。
ちょっとした羞恥プレー位はようやく慣れてきたところだ。
彼女が何をして欲しいのか、僕に言わないと僕は分からないって言い続けた結果だ。
顔を真っ赤にしてはにかみながらおねだりする彼女は本当に可愛い。今すぐ食べちゃいたい位。
だからって、そんなことしないよ。僕は、おいしいものは一番最後に食べる主義なんだ。
でも、久しぶりに二人でゆっくりまったりできる今日は僕が夕食を作ると宣言した。
そんなに難しいものはできないけど、それでも彼女がおいしいっていてくれたら嬉しい。
そんなところを想像するだけで頬が緩んでしまう。それは僕のキャラじゃないから今のうちだけ。
冷蔵庫には、今夜のご飯の下拵えが済んだ状態で待っている。
それよりも、今日のおやつに僕は勝負をかけている。
こないだ、ターミナル駅で見た国民的アイドル…ビビッドのCM。それに彼女が釘づけだったんだ。
彼らがCMしているのは、全国チェーンのコンビニで発売中の初恋ショコラ。
キャッチコピーのせいか、ビビッドのせいか、カロリー控えめのせいかとにかく入手困難な一品。
今日のおやつにしたくて、中学の同級生がバイトしている店に頼んでキープして貰いようやくゲット。
今は冷蔵庫で待機中。チョコレートケーキだから、カフェオレがいいのかな?僕はエスプレッソでいいけどね。
いそいそと、すぐに出せるように準備だけは怠らない。
スリッパも用意したし、玄関もトイレもピカピカ。後は彼女が来るのを待つだけ。
これからの二人きりの時間が楽しみで僕はほくそ笑んでしまう。
「あれ?おばさんは?」
「旅行。夕飯さ、裕子の分も作ったから、食べて行きなよ。僕が裕子の家に電話するよ。もちろん送っていくから」
「いいの?そんなことして?」
彼女は不安そうに僕を見る。二人きりだからって、数回キスしただけの彼女を今日食べちゃおうなんて思いません。
欲望はあるからさ、少しずつ味見はさせて貰うつもりだよ。今は、彼女の家族の信頼をゲットが最優先。
「夜遅く、女の子を一人にはできないよ。それじゃあ電話するよ」
僕は家の電話から彼女の家に電話をかける。携帯の方が楽だけども、固定電話からかけた方が心象がいいだろう。
彼女の母は、家を出る前に電話をするようにとだけ言ってくれた。日ごろの行いって重要だよね。本当に。
さて、そろそろ僕の本気を少しだけ出させて貰おうかな。
「ねぇ?ゆう?どうして呼んでくれないの?」
「えっ?」
彼女は僕の質問を聞いて体を強張らせる。そりゃそうだ。さっきまで名前で呼んでいたのをわざと『ゆう』と呼んだのだから。
彼女をこう呼ぶのは、俺一人だけ。その事は彼女本人が一番よく知っている。二人きりになった時のルールを忘れたかい?
「二人きりでいる時は?どうだったっけ?」
「あっ、あきらくん」
彼女は顔を真っ赤にして俯く。中学卒業と同時に付き合い始めてもうすぐ一年。
照れ屋さんの彼女は僕の名前を呼ぶだけで未だに顔中を赤く染める。そんな顔をするのは僕の前だけ。それ以外許さない。
ちゃんと呼べたご褒美をあげないといけないね。
「良く言えました」
耳元で囁いてから、頬に音を立ててキスを一つ。彼女はわっと言って驚いた。
「ゆう…頬にキスで驚かないの。僕達は既にキスはしたことあるでしょう?違うかい?」
「…違わないです。はい…ごめんなさい」
彼女は体を更に強張らせる。その姿かウサギのようで本当にかわいい。
僕は彼女の頭をゆっくりと撫でる。そういうつもりじゃないよって分からせるために。
しばらくして、彼女の方が僕に身を委ねて来る。そう、それでいいんだ。ゆうは僕のモノなのだから。
僕はキッチンに向かう為に立ちあがる。
「あきら?」
「座ってて。今日のゆうはお客さんだよ。それともなんちゃって執事カフェごっこする?お嬢様」
そう言うと僕は極上の笑みを顔に貼り付ける。本音はこんなことしたくない。けど彼女は僕のこの笑顔が一番好きなのを知ってるから。
「刺激的すぎるから…いい。いつもの…あきらがいい」
「あっ、そうなの?残念。今度二人きりの時は決定ね。フロックコートとか用意しておくよ。僕そういうの形から入るの…知ってるだろう?」
文化祭の時にメイドカフェをやると決まった時に、男子だけども衣裳係をやった事を忘れたわけじゃないだろ?
女子のツボと男子のツボは違うから、そこを調整する為に志願したんだ。本音は別にあったんだけど、これは内緒。まだ言えない。
「そっ、そうだったね。今度って事は…決まりなんだ」
「そうだよ。嫌なんて選択肢…僕にあると思った?」
「…ないと思う」
「安心して。ゆうが本当に嫌がることはしたことはないだろう?思い出して御覧?」
「ない。でもね。不安になるんだよ」
「どうして?」
「だって…皆が…その…」
彼女が言いたい事は何となく分かる。エッチしないって言いたいんだろうけどね。
性欲?ありますよ。でも、その行為の全てに責任が取れる年齢じゃないし、経済的に自立してからだと思う時もある。
ここは彼女の不安を解消してあげたいと思い、初恋ショコラを持って彼女の元に戻る。
「あっ、これ!!」
「そう、ようやく買えたんだよ。とりあえず、今は食べるだろう?僕は一口だけ先に貰うよ」
僕はさっさとパッケージを開けて、一口掬って口に中に入れる。濃厚なチョコレートが口の中に広がる。
俺たちよりももっと大人が購買ターゲットなのでは?と考えなくもない。
「御馳走様。それじゃあ、ゆう。あーんして?」
「あきら…一人で食べれるよ」
「いいの。二人きりじゃないと出来ないんだから。やらせてほしいなぁ。嫌?」
こうやって、おねだりすると彼女は絶対に嫌と言わない事も経験済み。
彼女は仕方なく口を開けた。
「そう、どうぞ」
この時を僕は待っていたんだ。全ての舞台は整った。彼女がケーキを飲み込むのを待つ。
「おいしいね。これでヘルシーって凄いね」
「そうだね。ゆう?ケーキとぼくのキス…どっちが好き?選んでごらん」
僕は彼女の目をジッと見つめる。どっちか選びなさいって念を送って見る。
再び彼女は顔を真っ赤にする。イチゴの様においしそうに頬を染めている。
「えっとね…ケーキを食べた後にキスをするのって…ありなのかな?」
小さな声で、彼女がようやく答える。そんなこと言われたら、やらない男はいないでしょう。
「そういうおねだりされたら、嫌なんて選択肢、ある訳ないじゃん。仰せのままに」
僕はケーキを一口掬って、彼女に食べさせ、再び僕も一口食べる。
飲みこんだのを確認してから、彼女の唇に自分の唇を合わせる。
自分からも彼女からもチョコの味しかしない。離れては合わせるをくり返す。
チョコレートが媚薬だとよくいったものだなぁと思いながら、彼女を唇をおいしく堪能させてもらうのだった。
4年後、こんな子供にならないことを切に祈りますが…きっと無理。
今の時点で十分すぎる位鬼畜だものwww




