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2話「聞き込み?開始」

~琴結学園 中央校舎 2階廊下~



情報収集という言葉がある。

意味は文字通りなのであまり言う意味すらないと思う。

僕は積極的に物事の情報収集を行うような性格ではないので、この言葉を使うことは極端に少ない。

しかし、何か特定の事が起これば使わざるをえないときも存在する。


「さて、誰かに聞き込みするしかないか。」


こんな台詞を言ったのは、映画の撮影を含めても、今が始めてである。探し物が形ある物ならこんなことを言う必要はないのだが、探し物は、なんというか手掛かり?真相?犯人?

どれを見つけるかはイマイチ分からない。


「とにかく、一つ見つければ何とかなるか。」

僕はそんなことを言いながら、廊下を歩いていた。

具体的な探し物の結論は「アヤの台本を書き換えた証拠」となるだろう。

通常、刑事ドラマや探偵物の物語には犯人が証拠とセットになってENDを迎えれるわけだが、僕なりの終わりは、証拠だけである。証拠があればアヤが台本を書き換えてくれる。最大の願いである・・・



日をまたいでの行動になるかもしれなかったが、そんなことを言っている余裕はなかった。何しろ、僕が証拠を探している間にも怠けるのが嫌いなアヤの事なので、映画の撮影は進んでいってしまう。

何とか、問題のシーンは1番最後に撮ることにしてもらったが早く見つけないとアヤがしびれを切らして、


「もうこのシーンでいくわよ!とっとと涙を流しなさい!駄目なら私が泣かせてあげるわ!!」


となる予感がした。・・・自分の想像力もこんなふうになると考え物である。


「悪い方向は駄目だ!捜さないと。まずは、まあ無難に当夜から聞き込みだな。」

1番行動を共にする機会が多いのであまりいい情報が得られるとは思わないが、聞かないよりマシだと思った。


「当夜は・・・あ、」


僕はあることを思いだしてしまった。


「学食に行ってたんだった・・・」


証拠を探す前にこの微妙に忘れっぽい性格を治したい、と僕は思いつつ、学食に戻ることにした。

ちなみに、さっき学食を飛び出してから45分が経過していた。~琴結学園 中央校舎 2階学生大食堂~



「・・・さすがにいないか」


現在時刻、6時15分前後。

時間的に生徒の数が増えており学食は、小、中、高校生と様々な年齢層でごった返していた。しかし、とうの捜している人はさすがに45分以上もたつと居なくなるのは当然である。

僕は学食から出ることにした。

「あれー?リト、何してるー?」


誰かに背後から呼ばれたが、話し口調で顔を確認しなくても、誰か分かってしまう。

僕は振り向いて声の方に行き話し始めた。


「食堂で遠くから話しかけるな、千秋。」


「うー。呼んであげたのに、リト、ひどーい!」


近寄って文句を言うと千秋は怒ったような顔で反論した。


「はいはい。僕が悪かった。」長引くのを避けて謝ることにした。しかし、


「うー。そんなんじゃ許してあげないー。」


半ば怒っている理由が、あまりに小さいため僕はため息をつきたくなってきていた。

さっきの僕の言動に千秋にとってかなり不機嫌になる部分があったようなので、振り返りたいところだが、振り返る以前に思い出せない。


「じゃあ、どうしたら許してくれる?」


一応まともに返答することにした。


「(ここで適当な発言をしたらまた長引きかねない・・・)」

そんなことを思い立っていた。僕がそう答えると冗談を言うような顔が何故か千秋から消え、少し真剣な顔で考えるポーズになってしまった。

何故?


「あ、あのさ千秋・・・」


「待って!もう少し考えさせて。」


いや、そうじゃなくて・・・

受け流すために言った台詞のはずだったのに何故か真剣に考え始めてしまった。

そんなに僕にさせたいことがあるのだろうか?

千秋の中の僕の扱いを1回覗いてみたくなってきた。




千秋の考える体勢が始まってから1分以上経過している。1分とはほとほと短いようで待つと長いのだ。


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


いつまで体勢崩さず3点リーダーを繰り返すつもりなのか。

話しかけてきた時の千秋のキャラはいずこへ。


「あ、あのさもういい加減に一一一」


「よし!決めたー!」


キャラ復活ーーー!!

こんなに息苦しいとは思わなかった。


「やっとか。で、どうすれば許してくれるんだ?」


「んとねー。今度私と1日買い物付き合ってー。」


「え?それでいいのか?」


結構長い時間使って捻り出したから、もっととんでも要求が来るのかと思ったが意外に普通だった。

キャラを無視した意味は!?


「うん!たまにはゆっくり遊びたいし。」


キラキラした表情で答えてきた。千秋がいいというなら僕は構わないのだがそれでも疑問がある。


「でもさ、買い物って言っても行けるとこは」


「いいのいいの。リトが私の荷物全部持ってくれるだけで。」


「え!?」


そう言うと、千秋は自分のテーブルの上の食器を片付けにカウンターに言ってしまった。

そして帰ってくるなり一言。


「行く日、決めたら誘うからー。じゃあねー」


「え?ちょっとー!」

そう言い千秋はそそくさと、学食から寮の方に帰って行ってしまった。


結局何も進まず仕舞いに終わってしまった・・・一応残せるものは残しておこう。

あの黄色い髪をした、語尾を伸ばす特徴がある奴。名前を千秋チアキという。クラスメートである。



これ以上いても意味が無いので・・・あれ?


「そういえば何しに来たんだっけ?・・・・・・・・・あ!」


30秒考えて、何とか思いだした。やっぱり物忘れは改善するべきだと思う。


「当夜はいないし、千秋は・・・まあいいや。次はどこに行こう。」


始まりだしは悪いが、まだ時間はある。諦めるわけにはいかないので再び知人を思い出すことにした。

さて、2話目で思うことかどうかは別として、一言言うと、

「これ、ネタ大丈夫かな!?」


と思うことが書いているときしばしばあります。

ノリで頑張るしかないと言い聞かせる。


それが最近の目標です。

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