第19話 狙われた光
王都リュミエール。
夜。
霧が
街を包む。
静かすぎる。
バルトは
違和感を
覚える。
「警戒を
強めろ」
王城の
警備兵に
指示する。
ミレーヌの部屋。
扉の前に
四名の騎士。
窓側にも
二名。
完璧な
布陣。
――のはずだった。
突然。
城の南側で
爆音。
炎が
上がる。
「南門が
襲撃!」
警報が
鳴る。
兵士たちが
そちらへ
走る。
バルトは
眉をひそめる。
「……陽動だ」
直感。
次の瞬間。
ミレーヌの部屋の
窓が
割れる。
黒装束の
男たちが
侵入。
「聖女を
確保しろ」
バルトは
駆ける。
剣を抜く。
最初の一人を
斬る。
二人目、
三人目。
だが、
数が多い。
天井が
崩れる。
上から、
ローブ姿。
ゼクト。
「久しぶりだな」
バルトは
睨む。
「生きていたか」
ゼクトは
笑う。
「死ぬ予定は
ない」
杖を振る。
黒い霧。
結界が
張られる。
(空間遮断結界:
内外の移動を
封じる術)
ダニエルが
外から
叩く。
「団長!」
中に
入れない。
ゼクトは
ミレーヌに
近づく。
「来い、
聖女」
ミレーヌは
後退する。
震えながらも、
バルトを見る。
バルトは
前に出る。
「俺を
倒してからだ」
ゼクトは
肩をすくめる。
「望むところだ」
死霊が
床から
現れる。
バルトは
突っ込む。
死霊を
斬り捨てる。
だが、
再生する。
ゼクトの
闇槍。
バルトは
受け止める。
膝をつく。
ミレーヌが
叫ぶ。
「やめて!」
胸が
熱い。
光が
溢れる。
ミレーヌの
身体が
輝く。
治癒と
浄化の波動。
死霊が
悲鳴を上げて
消える。
ゼクトは
目を見開く。
「覚醒か……!」
バルトは
立ち上がる。
「今だ!」
全魔力を
剣に。
白光が
炸裂。
一閃。
ゼクトの
杖が
折れる。
肩を
斬られる。
「くっ……!」
結界が
崩れる。
ダニエルが
突入。
「団長!」
ゼクトは
煙玉。
「次こそ
奪う」
闇に
消える。
ミレーヌは
崩れ落ちる。
バルトは
抱き留める。
「よく
やった」
ミレーヌは
涙を流す。
「私、
怖かった」
「でも、
戦いました」
バルトは
うなずく。
「十分だ」
帝国は、
聖女を
奪いに来る。
もう、
隠す段階は
終わった。




