第17話 影の王
西の森での
戦闘から
二日後。
王都リュミエール。
王城・調査室。
机の上に、
回収した
黒い水晶。
ゼクトが
落としたものだ。
ギレンが
顎を撫でる。
「高度な
暗号魔術が
かかっている」
「普通の
術師では
解析できん」
リュート王子が
言う。
「王宮魔導院に
回そう」
バルトは
水晶を
見つめる。
「ゼクトは、
上に
命令者がいる」
「そいつが
黒幕だ」
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王宮魔導院。
白衣の
魔導士たちが
水晶を囲む。
魔法陣が
幾重にも
重なる。
しばらくして。
老魔導士が
顔を上げる。
「部分的に
解析できた」
「通信先は、
帝国王都」
「だが……」
言葉を
濁す。
「もう一つ、
異質な
魔力反応がある」
「帝国の
ものではない」
場が
ざわつく。
「古代系統の
魔力だ」
(古代魔力:
現代魔法より
はるか以前の
文明由来の力)
バルトの
背筋が冷える。
「人間じゃない
可能性も?」
老魔導士は
ゆっくり
うなずく。
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夜。
ミレーヌの部屋。
ミレーヌは
胸を押さえる。
苦しい。
頭に、
知らない声。
「……聖女……」
ミレーヌは
膝をつく。
「誰……?」
声は
消える。
だが、
胸に
黒い影が
残る。
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同時刻。
帝国・地下神殿。
巨大な
黒水晶。
その前に、
影に包まれた
存在。
「聖女が
目覚め始めた」
カイゼルが
跪く。
「予定通りです」
影は
低く笑う。
「千年前、
我は
封じられた」
「今度こそ、
この世界を
取り戻す」
「人の国など、
踏み台だ」
カイゼルの
拳が
震える。
「……御意」
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王都。
バルトは
夜空を
見上げる。
理由の
わからない
不安。
だが、
一つだけ
確かだ。
戦いは、
国家同士では
終わらない。
もっと
大きな闇が
動いている。




