第15話 見えない刃
王都リュミエール。
復興作業が
続く中。
水面下で、
別の戦いが
始まっていた。
王城・地下文書庫。
薄暗い通路。
一人の男が
歩く。
王城書記官。
名は、
ローディ。
真面目で、
目立たない男。
だが、
彼は
立ち止まる。
周囲を
確認。
誰もいない。
棚の奥。
隠し扉を
開ける。
中には、
小さな魔法陣。
ローディは
懐から
水晶を取り出す。
魔法陣が
光る。
「帝国に
報告」
低い声。
「王都の
防衛配置、
更新済み」
水晶の中から
声。
「よくやった」
通信は
切れる。
---
翌朝。
王城・訓練場。
バルトは
剣を振る。
汗が
地面に落ちる。
ダニエルが
近づく。
「団長、
休憩を」
「まだだ」
振り続ける。
「強くならないと」
ダニエルは
黙る。
ランドと
アランが
現れる。
「団長」
「妙な話がある」
バルトは
剣を下ろす。
「最近、
補給物資が
何度も
消えている」
「しかも、
ルートは
機密扱いだ」
ギレンも
合流する。
「内部犯の
可能性が高い」
バルトの
目が鋭くなる。
「誰が
怪しい?」
ギレンは
首を振る。
「まだ
わからん」
「だが、
調査は
始めている」
---
その夜。
王城の
回廊。
ローディは
再び
歩く。
だが。
曲がり角で、
影が
立ち塞がる。
バルト。
「どこへ
行く」
ローディは
凍りつく。
「み、
見回りです」
バルトは
静かに
近づく。
「地下文書庫は、
見回りルートに
入っていない」
沈黙。
ローディは
後退する。
「ち、違います」
バルトは
剣に
手をかける。
「正直に
言え」
ローディは
崩れ落ちる。
「す、すみません!」
「家族を
人質に
取られて……」
涙を流す。
バルトは
歯を食いしばる。
「帝国か」
ローディは
うなずく。
「情報は
どこへ送った」
「水晶通信です」
「隠し部屋に」
---
地下文書庫。
隠し部屋。
バルト、
ダニエル、
ランド、
アラン。
魔法陣が
まだ
微かに光っている。
「使えるか?」
ランドが
頷く。
「逆探知できる」
(通信魔法の
発信元を
辿る術)
魔法陣が
強く光る。
地図に、
赤い点。
王都の外。
西の森。
「罠かもしれん」
ギレンの声。
バルトは
剣を抜く。
「行く」
見えない刃は、
もう
振り下ろされている。




