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第14話 嵐の余波


王都リュミエール。


戦闘から

二日後。


街は、

まだ傷跡を

残していた。


壊れた家屋。


焼け焦げた

石畳。


それでも、

人々は動く。


瓦礫を運び、

傷者を助け、

食料を配る。


王城・執務室。


リュート王子は

書類の山を

見つめていた。


「被害報告が

止まらないな……」


ギレンが

答える。


「死者二百三十名」


「負傷者は

千を超える」


沈黙。


バルトは

拳を握る。


「俺が

もっと強ければ」


リュート王子は

首を振る。


「違う」


「君がいなければ、

王都は

落ちていた」


ギレンが

続ける。


「問題は、

帝国が

引いた理由だ」


「親衛隊長を

失っても、

撤退した」


「様子見だな」


バルトは

理解する。


帝国は、

本気の

戦力を

まだ出していない。


その夜。


ミレーヌの部屋。


灯りは

落とされ、

静か。


ミレーヌは

窓辺に座る。


ノック。


バルト。


「入るぞ」


ミレーヌは

うなずく。


バルトは

少し迷ってから

言う。


「……怖かったか」


ミレーヌは

小さく

うなずく。


「でも、

信じてました」


「バルトが

守ってくれるって」


胸が

締めつけられる。


「俺は

完璧じゃない」


「何度も

負けかけた」


ミレーヌは

顔を上げる。


「それでも、

立ち上がりました」


「それが

すごいんです」


バルトは

言葉を失う。


沈黙。


やがて。


「……君を

一人には

しない」


それだけ

言った。


ミレーヌは

微笑む。


別の場所。


帝国ヴァルグス。


黒い玉座の間。


カイゼルが

膝をつく。


玉座の上には、

影に包まれた

存在。


「王国は

耐えました」


影が

低く笑う。


「想定内だ」


「次は、

内部から

崩す」


カイゼルは

うなずく。


「王国に、

種を

蒔いてあります」


影は

満足げに

頷いた。


嵐は、

まだ終わらない。


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