第11話 開かれる戦端
翌朝。
王城・戦略会議室。
長机を囲み、
重臣たちが並ぶ。
バルト、
ダニエル、
リュート王子、
冒険者ギルド長ギレン、
そして――
冒険者Aランクの
ランドとアラン。
ギレンが
腕を組む。
「昨夜の件、
帝国の仕業と見て
間違いない」
ランドが
口を開く。
「帝国の斥候は
質が違う」
「王都の外にも
潜んでいるはずだ」
リュート王子は
拳を握る。
「つまり、
事実上の宣戦布告だな」
沈黙。
バルトが
静かに言う。
「まだ
全面戦争ではない」
「だが、
小競り合いは
始まっている」
ギレンが
うなずく。
「冒険者ギルドは
王国と連携する」
「Aランクを
複数動かす」
ダニエルが
目を見開く。
「本気ですね」
ランドは
笑う。
「若い団長が
命張ってる」
「大人が
動かないわけに
いかない」
その時。
扉が
勢いよく開く。
兵士が
駆け込む。
「報告!」
「東の街道で
帝国兵と
武装集団が
衝突!」
「護送中の
商隊が
襲撃されました!」
ギレンが
舌打ちする。
「早速か」
リュート王子は
立ち上がる。
「バルト」
「迎撃を頼む」
「了解」
---
東街道。
炎上する馬車。
倒れた護衛兵。
帝国兵が
周囲を囲んでいた。
そこへ。
馬蹄の音。
王国騎士団。
先頭。
バルト。
「ここは
王国領だ」
「引け」
帝国兵の隊長が
笑う。
「商人に
用があるだけだ」
「邪魔するなら、
敵と見なす」
「ならば――」
バルトは
剣を抜く。
「最初から
敵だ」
突撃。
騎士団が
一斉に突っ込む。
剣と槍が
ぶつかる。
金属音。
帝国兵は
練度が高い。
だが、
王国騎士も
負けていない。
バルトは
隊長へ向かう。
重剣同士の
激突。
衝撃波。
地面が
ひび割れる。
隊長の剣が
赤く光る。
火属性付与。
炎が
刃を包む。
「属性剣か」
バルトは
魔力を集中。
白光。
身体強化。
踏み込み。
斬撃。
炎と白光が
ぶつかる。
爆ぜる。
煙。
バルトは
煙の中を
突き抜ける。
隊長の胸に
剣先。
「撤退!」
帝国兵が
後退する。
バルトは
追わない。
目的は、
撃退。
倒れた商人を
確認する。
まだ
息がある。
「救護班!」
騎士団が
動く。
ランドとアランが
合流する。
「団長、
周囲の掃討は
完了だ」
バルトは
うなずく。
これは、
戦争ではない。
だが、
平和でもない。
灰色の境界線。
若き騎士団長は
理解した。
もう、
後戻りはできない。




