表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

10/30

第10話 試される剣


深夜。


王都リュミエールは、

静寂に包まれていた。


街灯の光が、

石畳に細い影を落とす。


バルトは

ミレーヌの居室前に立つ。


いつもと変わらぬ

護衛配置。


だが、

胸騒ぎが消えない。


「……来る」


呟いた瞬間。


屋根瓦が

かすかに鳴った。


バルトは

剣に手をかける。


影が、

壁を伝って降りる。


黒髪の細身の男。


無音で着地。


「王国騎士団長バルト」


低い声。


「帝国ヴァルグスより

挨拶に来た」


「帰れ」


即答。


男は

肩をすくめる。


「試すだけだ」


次の瞬間。


男の姿が

消える。


背後。


バルトは

振り向きざまに斬る。


剣と短剣が

ぶつかる。


火花。


男は

距離を取る。


「速い」


「だが、

帝国では

並だ」


挑発。


バルトは

踏み込む。


連撃。


男は

後退しながら

すべて弾く。


「面白い」


男の短剣が

光る。


雷属性。


小さな稲妻が

走る。


「雷付与だ」


バルトは

理解する。


(武器に

属性魔力を

付与する技術)


短剣が

突き出される。


バルトは

剣で受ける。


衝撃。


腕が

痺れる。


男は

距離を詰める。


至近距離。


肘打ち。


バルトは

腹部に

衝撃を受ける。


だが、

踏みとどまる。


「……ここは

通さない」


バルトは

魔力を

剣に集中。


剣身が

淡く白く光る。


身体強化。

魔力強化。

同時発動。


踏み込み。


一閃。


男の仮面が

割れる。


頬に

赤い線。


男は

後退する。


「ほう……」


「噂以上だ」


屋根の上へ

跳ぶ。


「次は

遊びじゃない」


闇に消える。


バルトは

剣を下ろさない。


しばらくして、

ダニエルが

駆けつける。


「団長!」


「無事だ」


扉の向こう。


ミレーヌの声。


「……バルト?」


「大丈夫だ」


短く答える。


ミレーヌは

扉越しに

小さく言う。


「……ありがとう」


バルトは

目を閉じる。


帝国は、

本気だ。


そしてこれは、

序章に過ぎない。


若き騎士団長は、

再び誓う。


――この剣が折れるまで、

彼女を守る。


物語は、

新たな局面へ入った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ