遺留品
海辺の足跡は波に流され、靴は沖に浮く。
赤い靴は、流されて、流されて、浜辺に戻ってくる。
主人をどこかに忘れて、戻ってくる。
足跡にピッタリはまる、左の赤い靴。
きっと右は主人がまだ履いているんだ。
赤い靴は泥だらけ。
主人の真っ白なドレスも泥だらけ。
きっと、もう主人は生きていないんだね―――。
赤い靴は大人に拾われて遺留品と呼ばれた。
かっこ悪い名前。
赤い靴はそう思ったに違いない。
自殺しなければ良かったのにね。
海辺の足跡は波に流され、靴は沖に浮く。
赤い靴は、流されて、流されて、浜辺に戻ってくる。
主人をどこかに忘れて、戻ってくる。
足跡にピッタリはまる、左の赤い靴。
きっと右は主人がまだ履いているんだ。
赤い靴は泥だらけ。
主人の真っ白なドレスも泥だらけ。
きっと、もう主人は生きていないんだね―――。
赤い靴は大人に拾われて遺留品と呼ばれた。
かっこ悪い名前。
赤い靴はそう思ったに違いない。
自殺しなければ良かったのにね。
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