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ツクモ  作者: 誰か
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第六話『遠出』

 彼女にたずねる。


「君に頼んだものは、準備してくれたのかな?」


「したよ」


「浮き輪は?」


「したよ、あれは、きたいで膨らむんだよ」


「スイカは?」


「したよ、目を閉じれば、いざなう声が聞こえるようだったよ」


「水着は?」


「ここじゃ見せられないな」


「なるほど」


「そんな事より、どこなの、ここは?」


「見ての通りのロッジ(山小屋)だね」


「なんで!」


「海だなんて、一言もいってないよ」


「君は、アレを見て、なんとも思わないの?」


 麦わら帽子にアロハを着こなし、海中眼鏡にシュノーケルまで装備したトロピカルタイプのツクモが、専用パラソルとビーチボールを抱えたまま、呆然とたたずんでいる。


「割と、形から入るタイプだったんだね」


「言いたいことは、それだけかあ!」


「ツクモに海は無理だから、いくら全天候型でも、浮かびすらしないよ」


「でも、どうするのよ、ツクモが現実逃避を始めちゃったじゃない」


 ゴムボートをひっぱりだしてきて、ジャバラな足踏みポンプをシュッコ、シュッコして、ふくためている。


「あれはきっと、流されないように、いかりを沈めるつもりだね、浮かばれない自分で」


「一体、どこに沈めるっていうのよ」 


「じゃあ、行くよ、ツクモ、こっちにおいで」


 しばらくすると、水音が聞こえてきて・・・


「ほら、ツクモ、見てごらん」


 渓谷にたどり着く。


 そこで、ツクモは、動かなくなってしまった。


 岩の上から木漏れ日が注いで、キラキラと光る川面に、まるで見入っているみたいに。


 その傍らにしゃがんで彼女が言った。


「来て良かったね」

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『HAKO NIWA シークレット!』
 みんな、宝箱には目がないよね?、実はノドも無いから喋れないし、手も出ない、それどころか動けないんだよ、箱だから。異世界に転生したら、私、宝箱になってた。現在、ダンジョンに閉じ込められているので脱出しようと思うのだけれど、一ミリたりとも動けない。でも、動けないなりに頑張って、なんとかレベルを上げる方法を見つけたりして。ただまあ進化先の候補が、寄木細工に、びっくり箱、魔法瓶・・・って、動けないよ!。あれっ、もしかして幸運値が低いとかない?。とりあえず、スキル【ガチャ】は、お願い息をして。これは、箱になってしまった娘の冒険譚。まあ、最初の小部屋から微動だにしていないのだけれど。どうにか工夫して生き残るよ!。追伸、どうも脱出の鍵はロボットが握っているらしいです。

 人外転生(みかん箱) + ガチャ + ダンジョンに置き去り + ざまぁ(軽微) + レベルアップ→進化 + 変形ロボット(ファンタジーです)

 短編ですので労力はそこまでかからないと思います。
『HAKO NIWA シークレット!』


『このヒロイン、実は・・・』
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『ほんのり、ほのぼのしてもらえたら嬉しいです』(ファンタジー、SF、ミステリー、日常系、色々あります、一話完結ショートショートコメディ集です)


『みどりの竜』
 一話完結、ショートショートコメディです。


『月の音色』
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『いくとちゃんとおじいちゃん』
 子供に読み聞かせるとき、大人も一緒に楽しめる童話を目指しました。
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