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ツクモ  作者: 誰か
3/7

第三話『果物ナイフ』

 トテ、トテ、玄関まで出迎えに来たツクモに、


「はい、お土産、ひとりで持てる?」


 と、たずねれば、コクリと頷いて両手を上にのばすものだから、「重いよ」と一声そえて、なるべく優しく手渡してあげると、ペコリ、お辞儀をひとつして、クルリと向きを変えたら、イチニ、イチニと、左右に揺れながら奥へと運んでいく。


「落としちゃダメだからね」


 小さな後ろ姿に声をかけて、ツクモの後についていく、すると。


「うぅぅ、いらっしゃい」


 家主が自室の戸から、ぬそっと顔をだした。


「いや、どうしたの?」


「ツクモの学習したデータとサーボアクチュエーターの制御プログラムのフィードバックをちょっとね」


「うん、何を言っているのかはわからないんだけれど、寝てないのはわかった」


「要するに、力加減とか、どれくらい上達してるか調べてたの」


「それで、どんな塩梅だった?」


「成長、著しいね」


 ドヤっている彼女のズボンの裾を、くだんのツクモが引き返してきて、クイクイと引っ張って気を引いている。


「ああ、そっか、果物ナイフがほしいの?」


「えっ?」


 思わず聞きとがめる。


「果物ナイフをどうするの?」


「そりゃ、お土産の皮をむくのに決まっているよ」


「なんだって!」


 つい声をあげてしまう。


「大丈夫、大丈夫、あのコ最近練習してるんだよ」


「いや、いくらなんでも・・・」


 言いかけたものの、楽しげな彼女と、そこはかとなく張り切っている様に見えるツクモに、つい言い淀んでしまう。


 まあ、ツクモに限っては、ケガの心配はいらないかもしれないけど。


 やがて、ツクモがみてみてーっという感じで、成果を掲げる。


「うん、上手にむけたねー」


「うそ!」


「ねっ、ほらね」


 彼女は誇らしげだが・・・


「おみやげ、スイカだったよね?」

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『HAKO NIWA シークレット!』
 みんな、宝箱には目がないよね?、実はノドも無いから喋れないし、手も出ない、それどころか動けないんだよ、箱だから。異世界に転生したら、私、宝箱になってた。現在、ダンジョンに閉じ込められているので脱出しようと思うのだけれど、一ミリたりとも動けない。でも、動けないなりに頑張って、なんとかレベルを上げる方法を見つけたりして。ただまあ進化先の候補が、寄木細工に、びっくり箱、魔法瓶・・・って、動けないよ!。あれっ、もしかして幸運値が低いとかない?。とりあえず、スキル【ガチャ】は、お願い息をして。これは、箱になってしまった娘の冒険譚。まあ、最初の小部屋から微動だにしていないのだけれど。どうにか工夫して生き残るよ!。追伸、どうも脱出の鍵はロボットが握っているらしいです。

 人外転生(みかん箱) + ガチャ + ダンジョンに置き去り + ざまぁ(軽微) + レベルアップ→進化 + 変形ロボット(ファンタジーです)

 短編ですので労力はそこまでかからないと思います。
『HAKO NIWA シークレット!』


『このヒロイン、実は・・・』
 SF?、ミステリー?、コメディ?、そんな感じの短編です。


『ほんのり、ほのぼのしてもらえたら嬉しいです』(ファンタジー、SF、ミステリー、日常系、色々あります、一話完結ショートショートコメディ集です)


『みどりの竜』
 一話完結、ショートショートコメディです。


『月の音色』
 声優、大原さやかさんのネットラジオに投稿した400文字以下の物語


『いくとちゃんとおじいちゃん』
 子供に読み聞かせるとき、大人も一緒に楽しめる童話を目指しました。
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