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ツクモ  作者: 誰か
2/7

第二話『あっつい!』

「お土産を買ってきたよ」


「おっ、ありがとう」


「どーよ、今度来る時には、忘れずに持ってくるって約束したからね」


「それで、これはなに?」


「アイスクリーム」


「あー、つまり、近所に来るまでは、忘れてたってことだね」


 反らした視線の先で、奇妙な挙動をしているツクモが目に留まる。


 MPを奪おうと踊っているものか、それとも、歩こうとして足をもつれさせているのか、とにかく足の運びがおかしなことになっていた。


「あれは、何をやっているの?」


「さあ、なんだろう?」


 彼女も首をかしげている。


「ツクモって二足歩行は普通に出来たよね?」


「そのはずなんだけれど、まあ、とりあえず壊れてはいないから、好きにさせて様子をみてるところ」


 ツクモは、前進しようと左足で踏み出した・・・ものの、軽く浮いた状態の時に右足を前に出そうとして、ついてこれず、後ろに残したまま、左足が先についてしまう。


 今度は、追いついた右足で軽く弾んで、左足を上げようと、してはいる様だけれど、ほとんどあがらないうちに両足揃って着地。


 一応、わずかずつ進んではいるけれど、一歩ごとに上体が左右にくねっ、くねっ、と曲がり、両手をあわあわと上げ下げしている仕草は、見ている分にはコミカルで面白いかも。

 

 あっ、ついに転んだ。


 崩れ落ち、ガックリと膝と両手をついたポーズで、うなだれているように見える。


 そんなツクモのそばに僕はしゃがむと、そっと肩に手をおいた。


 覗き込む僕を、顔を上げて見つめかえしてきたツクモに声をかける。


「何か良いことでもあったの?」


「鬼かっ君はっ!」


 すかさず入った彼女のツッコミに、僕は思わず笑いながら。


「いや多分、これ、スキップだよ」


 虚をつかれた顔をしている彼女に向かって。


「しかし、最近はほんと、あっついね、って、あれ、僕の分のアイスは?」


「ん?、あっ、ついね」

本日の19時に、三話目を投稿予定です。

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『HAKO NIWA シークレット!』
 みんな、宝箱には目がないよね?、実はノドも無いから喋れないし、手も出ない、それどころか動けないんだよ、箱だから。異世界に転生したら、私、宝箱になってた。現在、ダンジョンに閉じ込められているので脱出しようと思うのだけれど、一ミリたりとも動けない。でも、動けないなりに頑張って、なんとかレベルを上げる方法を見つけたりして。ただまあ進化先の候補が、寄木細工に、びっくり箱、魔法瓶・・・って、動けないよ!。あれっ、もしかして幸運値が低いとかない?。とりあえず、スキル【ガチャ】は、お願い息をして。これは、箱になってしまった娘の冒険譚。まあ、最初の小部屋から微動だにしていないのだけれど。どうにか工夫して生き残るよ!。追伸、どうも脱出の鍵はロボットが握っているらしいです。

 人外転生(みかん箱) + ガチャ + ダンジョンに置き去り + ざまぁ(軽微) + レベルアップ→進化 + 変形ロボット(ファンタジーです)

 短編ですので労力はそこまでかからないと思います。
『HAKO NIWA シークレット!』


『このヒロイン、実は・・・』
 SF?、ミステリー?、コメディ?、そんな感じの短編です。


『ほんのり、ほのぼのしてもらえたら嬉しいです』(ファンタジー、SF、ミステリー、日常系、色々あります、一話完結ショートショートコメディ集です)


『みどりの竜』
 一話完結、ショートショートコメディです。


『月の音色』
 声優、大原さやかさんのネットラジオに投稿した400文字以下の物語


『いくとちゃんとおじいちゃん』
 子供に読み聞かせるとき、大人も一緒に楽しめる童話を目指しました。
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