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瑠璃の輝き。~VRMMO攻略記~  作者: イヌ汰郎
序章:はじまりのはじまりの話
9/44

早急な説明を求めます

 幼女の目の前の地面は黒く熔解していた、先ほどまでそこにいた者は影も形もない。


「貴様!」

「さて、これで我とお主の二人…ではなかったな、呼ばんでいいのか?」

「…貴様一人なら不要だな、お前たち帰れ」


 一瞬の間ののち周囲から数十の気配が消えた。


「何も考えていないように見えるのは変わらんな」

「黙れ、逃がさんためだったがもう関係ない。行くぞ」

「はぁ、少しは休みたいんじゃがのっ…と」


 幼女が形を崩す、人の形ではなくなっていく。


『易々と帰れると思うなよ、鬼の小僧』

「いつまで上から目線だ!雷鳴の主!」


 ――――――――――


『最上位種のリソースの吸収を確認。一部要素がアンロックされます』

『《【黒鬼】鬼神・???》に個として認識されました。一部要素がアンロックされます』

『《人造人間(バイオロイド)エリスをテイムしました』

『モンスターのテイムを確認、特殊アクセサリーが装備されます』

『死亡を確認、リスポーンポイントを選択してください』


 …ログアウトしよう。


「どわぁぁぁぁ!情報が多い!」


 なんで死んだ?共闘の流れじゃん!要素のアンロックって何?エリスさん人っぽくないなーとか思ってたけどモンスター扱い?テイムした?

 一度落ち着いて整理しよう、えーとまず最上位種云々、これは鬼の耳を噛みちぎったことによるものだろう。

 そしてエリスさんがモンスターってことねしかもネームドなのね…ふんふんなるほど。


「よし、わからん!寝る!」


 もう2時だ。すごくつかれた…


 ――――――――――


 翌朝、ログインする前に情報収集する。


「…なるほど、テイムされる側の知能が一定以上だとプレイヤーによほど拒否感情がない限り自動的にテイムできると」


 それからあの鬼、北の方を中心に広範囲に出没しているモンスターのようだ。

 そして、個として認識されたというこの文。戦ったプレイヤーのうち何人かに同じ文言が表示されたらしいが、それだけで今の所、特に何もないらしい。

 気になる点は鬼に倒されたプレイヤーが少ないと言うことだ。遭遇報告に比べて戦闘報告はそこまでない。

 色々調べたがわからないことも多い、元凶であろう人に聞くしかないか。


 ――――――――――


 街を出てしばらく進んだ場所。昨日ユカリと焚火をしたあたりまで来た。ここら辺なら人はあまりいないだろう。


「えーと…『召喚(コール)』エリス」


 モンスターをテイムしたら自動的に貰える『絆の腕輪』。

 装備枠は消費しないがモンスターをテイムしている間は外すことは出来ないという装備だ。この中に仕舞っているという認識でいいのだろうか。


「喚ばれないかと危惧していました」

「色々聞きたいことがあるからね…」


 昨晩はよく見れなかったが綺麗な金髪にかなり整った顔立ちだ。なんだコイツ可愛いな、無愛想なのは変わりないが。


「可能なことなら回答します」

「ありがたいね。じゃまず私はなんで殺されたの?」

「推測ですがワタシ達を逃がすためだと」

「逃がす?殺されたんだが?」

「異邦人は死んでも死なない。これは世界の法則(ルール)です。あの場から遠ざけるには最適だったのでしょう」

「あーうんそういうことね…」


 いやどういうことだよ。プレイヤーがリスポーンするということがNPCで常識として広まっていなくては厄介なこともあるのだろう、そういう設定は分かる。

 だが、それを利用して遠ざけるなんてことをただのNPCがするんだろうか。

 そもそも、なぜ逃がす必要があったのか。あのまま行けば倒せただろうに。


「逃がした理由?」

「こちらが圧倒的に不利だったからです。周囲に27の気配を検知していました、通常時あの森に生息していないような強さの生物たちです」

「…マージか」

「それに加え彼は全力を出していません」


 全然気づかなかった。いや、気づけなかったというべきか、私とはレベルが違うのだろう。


「とりあえずわかったよ…じゃああの二人は誰?あの女の子は味方なんだよね?」

「母の友と…母を狙うものです」

「…なら母って誰」

「制限されています。アクセスは認められません」

「え?」


 突如、強制的にエリスが送還された。もう一度呼ぼうとするもできない。

 どうやら睡眠状態(スリープモード)になっているようだ。


「なんでー!」

「なんか流暢になったね」

「暇だったので学習させていただきました」

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