決着の三秒間
正直記憶の彼方にすっ飛んでて不死があるの忘れてた。なんせこのスキル、再使用条件がいまいちわかってない。
恐らく発動後に自身がキルされる事。キルされていない場合は…時間経過かな?前回から24時間は経ってないのでクールタイムは一日はかからないようだけど。まぁこの戦いで再使用できることはまずないのでこちらの切り札を切らされたことになる。
お礼に向こうの身体のど真ん中には風穴を開けてやったが。
「何故死なない…!」
「悪いね、私死なないんだ」
「…異邦人の持つ力ですか。そのようなものは初めて見ましたが……回数か対価か、いずれにしろ易々と使えるものではありませんね?」
「ノーコメント…てか思ったより喋ってくれるんだね」」
話通じない(ウー)マンだと思ってたけど意外といけるのか?まぁ武器ぶつけ合いながらだから穏やかだとは言えなそうだけどね。
「…そうですね、このように会話をするのは…それこそ二千年ぶりでしょうか」
「……一つ聞いておきたいんだけど、エリスは娘?でいいんだよね」
「……違います、私の娘ではありません」
なるほどね、今のシセラと昔のシセラ、エリスとリース。四名ともすべて別の存在ということでいいだろう。
互いに自分は偽物で相手は本物だと思って行動しているような節があるようだ。
…………ふむ?コイツら腹割って話合わせたら色々解決しそうだな?まぁ現状難しいだろうけど。
『主』
「うわビックリした」
「……?」
唐突にリアル『今、アナタの脳内に語り掛けています…』を慣行してきたのはエリス…かな?
なんだこれ私も脳内で話せばいいのか?
『そうです』
『聞こえてんかい…でコレ何?超能力的なアレ?』
『ちょうのう……?いえ、主従関係的なアレです』
『ああ、そう……で何?』
『後…28秒後、3秒間シセラを抑えてください』
『3秒…無理じゃね?』
『では』
『…あの?』
一方的に切られた感覚がある…テイム的なアレってなんだろう…?エリスが会話できるタイプだから行けてるのか?というか流暢度上がってんな。
「まぁ頼まれたからにはやりますか…おろ?」
時間を確認しようとメニュー開いたところ通知欄にアイコンが…フレンドメッセージが来ている、悪いが今忙しいので…ほーん。
まずは下準備だ、打ち合いながらシセラの位置を微調整する。多分ここが一番いい。
あとは、クールタイムの調整…納刀…ヨシ。返信を入れる『後10秒』ヨシ。
さて、と。
「二つかな」
「…二つ?」
「一つ目はエリスを想定に入れてなかったこと」
「先ほどから何を…」
「二つ目は…異邦人ってのを甘く見たこと、まぁ対策はしてたみたいだけどねぇ……頼まれたけど別に私がやる必要はないよね?」
「…?……!!」
今更気づいても、もう遅いよ。三人とも動き出している。
空間に裂け目ができる。そしてボロ雑巾の様な布の塊...否、蘭影と呼ばれていた人物とほぼ同時に鎖が飛び出してくる。
「遅刻してないか!?」
「時間ぴったしだよ!!」
「蘭影を…!」
さぁ、ここから約束の三秒間だ。
「【モンゴウ】!」
一秒目、夏将軍が鎖をシセラと私の周囲に縦横無尽に張り巡らす。と、同時に壁をぶっ壊しながら突っ込んできたのは一本の槍…槍?固めた雷?みたいな感じだ、エリスのいた場所へとまっすぐ向いている。ここ山の中じゃなかったっけ全部ぶち抜いてきたのかな……。
「『抜蛇閃』」
二秒目、(推定)槍を叩き落とさんと武器を振るったシセラに合わせて横から抜刀をぶち当ててズラす。身体のど真ん中を貫いた影響か動きが鈍いので楽勝だ。槍はそのまま妨害されること無く、柱…先ほどエリスが見えなくなった場所に突っ込んでいく。更に鎖が締まる、隙間すら無くなる位に…アレこれエリスこっち来れないけどどうすんの?
「『神雷槍』」
三秒目、既にエリスがそこ《・・》に居た。【黒鬼】やヴォルクスのような圧を感じる雷を固形化したような…エネルギー?を周囲に纏わせた槍を突き出しシセラの腹部を貫いて。
「「はっや」」
いつ来た?いやというかどうやって入ってきたんだ。夏将軍の鎖で人が通り抜けられるような隙間はない。槍がすり抜けられる隙間がギリギリあるかどうかだ。
『…シセラよ、確認だ。これが最善なのか?』
「……カラ…ド」
『…』
「コレ…《・・》が最…善です」
『…そうか、安心して眠れ。後継者は成った』
槍が電撃を放つ、祖国を護れず復讐を果たさなかった機神へと。
――――――――――
『【大厄災】『【機母神】』が制圧されました』
『【大厄災】進行度 2/1』
『郭洛』は直接触れた目標と発動者を直径25Mの半球状の空間に封じ込めるやつです。
解除は発動者が自発的にするか発動者の無力化になるので蘭影さんは「動かない間気配を極限まで消せる」スキルを使っていましたが夏将軍がモンゴウ伸ばしまくって空間を埋め尽くしてぶっ飛ばしました。ゴリ押しです。




