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瑠璃の輝き。  作者: イヌ汰郎
第一章:今のための過去のお話
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スキル習得…これ正規ルート?

(動けない…)


 自身を取り囲む柱と巻き付き動きを阻害するように張り巡らされた鎖、身動きができない。


(戻らなければ…)

『…き……か』

(?なにかが…聞こえる?)

『繋がっ…か、あら…な使い…』

(誰でしょうか?)

『我…ヴィジャカラド。汝、我を振る…覚悟はあるか』

(ヴィジャカラド…【轟雷龍】?……覚悟?)

『先代を打ち倒し、【女王】に挑む覚悟だ』

(……私は母上を……先代を止めなくてはならない、無為な虐殺を。覚悟は…先程決めました。力を貸して下さい)

『カカカ。元よりそのつもりだ、汝の覚悟も既に知っている。故にこうして繋がった。まぁ今のは…ただの確認だ』


――――――――――


「さぁ一対一です」


 ひじょーにマズイ。一人になってしまった。

 夏将軍はどっかに連れ去られ、エリスはそこで捕まって…さらに柱が増えて見えなくなってるし。

 まぁ負ける気はさらさらないけど。


「やれるだけやりますか!…『随喰』」

『『髄喰』が発動。対象【機母神(きぼしん)】戦闘特化汎用機体・シセラ。ステータス上昇。

 現在余ダメージ:1269』

 余ダメージは『髄喰』発動前の数字もカウントされるようだ。


「フゥー…」


 薙ぎ払いを躱し、突きを逸らし、蹴りを武器で弾く…武器でしか弾けない蹴りってなんだ?

 まぁ防いで、切ってる内にそれは起こった。


「辰式・登」

『称号【神野流】を取得しました。スキル『神野流』習得完了』

「なに!?」


 突如流れたメッセージ。本人は知るところではないが通常、スキル習得は『一定の行動をする』、『条件を満たしてレベルアップ』が主であるが、『称号の獲得』というレアなものもある。条件は明記されていないが自動で新称号が作成されそれに伴いスキルや職業が新たに作成されることがある。

 なにはともあれ突然のメッセージに困惑しようとも攻撃準備に入った状態で急に止まれるわけもなく。


「ああもう知らん!『登り龍』」


 スキルは基本的に威力と動作の補正、同じ動きでもスキルを発動するかただ武器を振るうだけでは大きく違う。

 先程までと比べて格段に火力の上昇した一撃が槍とぶつかり合う。


「…随分と重くなりましたね」

「乙女に重いは禁句じゃないかな?」

「…戯言を」


 冗談が通じないようだ。つまらんねぇ…。

 それはさておき、無から生えてきた新スキル『神野流』。どこぞのバカ(枝園創楽)が関係しているのかは知らないがここで攻撃手段が大幅に増えたのはありがたい。

 スキルとしては一つだがそれには十二の技が内包されており、スキルになったことで威力も速度も格段に上昇している…まぁ当たり前の事だがクールタイムとMP消費も発生するようになったが。


「こっから本番と行こうか」

「……」


 数瞬、二人の間に無言の時間が流れる。

 どちらからというわけもなく同時に動き出す。


「『禅迅』」

「『抜蛇閃』」


 再び二人の武器がぶつかり合い火花を散らす。今度は言葉を交わす事も無くそのまま技の奥州が続く。

 攻撃を避けて、逸らして、受けて、躱していき、防いでいく。

 攻撃を突いて、薙ぎ払い、切り返し、繰り出していく。

 集中が切れれば、相手の攻撃に一回でも当たれば、バランスが崩れればそこから畳みかけられて大ダメージを食らってしまうだろう。

 だが__止まらない、否止めれない。テンションがぶちあがり考えるよりも早く身体(アバター)が動く久しい感覚…まぁ数日前(ムソウ戦)の話だが。

 だからわかるこのまま正直に打ち合っていても勝てないと、先にこちらがスキルを何も打てなくなって終わりだ。だから隙を狙う必要がある。

 これまでに見つけた隙は、一…二、三個だな。まずは傷ついた左腕、二つ目はスキル以外の攻撃だけ異常に遅い、恐らくスキルとステータスが嚙み合っていない。そして最後は…まぁこれは私には関係ないことだからいいだろう。

 狙うべきは…スキルとそれ以外の間。即ち今。


「『登り龍』」


 《地》を身体半ばに構え、シセラから見えずらくなる様にしてから下から上へ、入れ替えた祭禮を振り抜く、左手で逆手に持ち刃の部分に柄が引っかかる様に。そしてそのまま手を放し投擲扱いにする。

 既に右手は納刀状態の《海》に掛けてある。


「『抜蛇閃』」


 上手いこと片手を放して祭禮を受け流しながら振り下ろされた槍に受け止められるがこれでいい。その武器からも既に手を放しているから。


「『丑式(うし)貫牛走かんぎゅうそう』」


 再び装備した《地》。振り抜いた姿勢から大きく踏み出し突き出した一撃はシセラの胴体のど真ん中をぶち抜いた。


「グッ…!」

「三段構えだ」


 余ダメージカウントは8624。そこそこいいダメージが入ったようだが…致命傷にはなり得ない…か。こういう機械って体の真ん中に核とかがあるもんだと思っていたが彼女は違うようだ。

 そもそもHP総量が分からないのでどんなもん削ったのかもわからないが。

 とか考えていたらシセラの左手に腕を捕まれた。


「えっ」

「…甘い」


 言う通り考えが甘かった、普通は胸を貫かれたまま相手の腕に掴みかかったりしないだろうけど、普通じゃないんだった。

 がっちりと捕まれ武器抜くことも、動かすこともましてや手を離すことすらできない。

 そうこうしているうちにシセラの右手が槍を短めに持ち迫ってくる。防ぐ方法は_ない、手持ちの武器の内二本は先ほど放り投げた。一本は今掴まれている状態で離すことができない。

 

「終わりです」


 ほんとにマジで終わりそう。


「私じゃなかったらそうかもねッ!」

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