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瑠璃の輝き。  作者: イヌ汰郎
第一章:今のための過去のお話
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最初で最後の反抗期

「何がしたいか…?」

「エリスは何でシセラを…お母さんを止めようとしてるのか、それが聞きたくて」

「…」

「エリスは帝国…シセラ側のはずだ、それがどうして今回の戦いを止めようとしていたのか」

「…記憶があります。恐らくワタシがこの身体(エリス)になる前、リースであったころの記憶…そこでの母上は今とは違いました。軍の指揮官でありながら【不殺の女神】の呼ばれる事もあるほどの…殺生を嫌う人間でした。数年でしたがその姿を見て、その教えを受(リース)は育った。それがワタシ(エリス)が造られてから見たものは違った」

「…犠牲を厭わず、帝国を、帝都を取り戻すという目的のためになら何でもするようになりました…約2759万人。母上が二千年で町村の襲撃やモンスター誘導の実験などで奪った命の数です」

「…すごい人数だね。でも、それを止めたいんでしょ?これ以上誰も殺してほしくないんでしょ?」

「ですが…造られた機械の存在が創造主の命に逆らうなど本来ありえないことです」

「エリスは機械じゃない」

「何を言って…」


 最初に疑問だったのはマルトに遭遇した時、あの時マルトはLv1だった。何故なのか、夏将軍から聞いてはっきりしていたが。


「機械型の魔物が他と大きく違う所はね、Lvが上がらない(・・・・・・・・)んだよ」

「……え?」

「機械型モンスターは経験値をエネルギーとして自身の強化をする。Lvは1から上がらない」

「…」


 エリスは【人造人間(バイオロイド)】…表記としては人間だ。


「それにここにいる人が…まぁシセラとマルトしか知らないけど、リースって呼んでるの見た事ない。リースのコピーじゃなくてエリスなんだって、機械じゃなくて生きてるんだって。エリス以外は思ってるんだよ」

「さっき何でここにって言ってたけど、私がここにいる理由は…なんか嫌だからだよ、たとえ、NPC(作り物)だったとしても死なれたらいやなんだよ。だからそれを止めるためにここにいる。おんなじような人ばっかだよフレース…【平原最強】は親友、NPCの親友の弟を護る為に街を救おうとしてる。カヤ平原でマルタ達と戦った人達も街を護る為に戦ってたんだよ」

「皆この世界が創られたものだって、知ってるのに頑張ってたんだ、何者でもただ”護りたい”から頑張ってたんだよ。偽物とか本物とか関係ないんだよ。だから改めて聞くけどさ…」


「『エリス』はどうしたい?」

「…私は…誰にも死んでほしくない。目的のために犠牲を厭わない母上の姿も見たくない」


 シセラを見ている限り…こうしてエリスが敵対するのも想定内のように見える。


「行くよエリス、最初で最後の親への反抗だ」

「…分かりました…マスター」


 機械の少女は立ち上がる。

 自らの前身の思いを、そして自らの思いを、生みの親にぶつけるために。


――――――――――


 ここはかつての大戦の終結地点。偉大なる英雄が命を賭し【女王】に挑みそして果てた場所。

 人類が繁栄した面影は朽ちた建物しかなく今では巨大なが鎮座しているだけの大広間。

 そこにその【槍】はあった。地面に深く突き立てられ時折雷を放っている。


『…幾年..過ぎた…?』


 それはその【槍】の意思。


『まぁ..いい。…時が…来たか』


 思い出すのは遠い遠い記憶、最期に聞いた人の声。


『カラド、謝罪します。私はここで死にます。貴方は…』

『逃げぬよ、最期まで付き合おう』

『…感謝を。……次に貴方を振るうのが私の娘だと良いですね』

『それは良いな…では参ろう』


 その槍の銘は【轟雷神槍・ヴィジャカラド】。現代から数えて三代前の轟雷龍から作られ、その意思を宿す武器。

 自身を打ち破り、槍を振るった英雄の最後の願いを叶える為。


『あちら…か』


 彼は二度死んだ。最初は龍として敗れた時、二度目はここで女王に勝てなかった時。

 三度この世で猛威を振るうために、ひとりでに浮き上がり真っ直ぐと飛び立った。

 かつての使い手。そして新たな使い手の元へと。


――――――――――


 エリスを立ち直らせ夏将軍の元へと戻る。

 彼はシセラの猛攻をものともせず、全て防ぎ切っていた。


「お待たせ」

「早かったな」

「まぁね…何はともあれエリス復活、これで三対一だね……エリス、とりあえず斧使える?」

「感謝します」


 槍が木っ端微塵になって武器を持っていないエリスにとりあえず斧を渡しておく。

 私はゼベルから貰った刀……地と海を構える。


「こっからは反撃、こっちが攻める番だよ」

「……先程の動き、その武器が得意なのは理解しました。が、その程度で埋められるほど差は小さくない【不沈漢】が堅牢ならば他から崩せばいい、貴方か…エリス」

「悪いが、お前の攻撃は俺の後ろには通さない『ヘイト・カバー』」

「……成程」


 夏将軍の使用したスキルの効果は三つ。スキル対象の自身へのヘイトの集中、一定範囲内のPTメンバーの受けたダメージの三割を自身へ移す、自身の受けるダメージ1.25倍。効果時間五分。

 攻撃を一手に引き受ける代わりに受けるダメージは上昇する諸刃の剣の様なくせに消費MPが少し高めという不人気スキルだが。

 デメリットは受けるダメージが上がる事、全ての攻撃を防ぎきれるだけの技術と性能があればデメリットは無くなる。


「厄介ですね…」

「俺は有言実行するタイプなんだ」


 ヘイトを買ってくれる人がいるのはこちらとしても動きやすい、多少ダメージ前提のビルドとはいえシセラの攻撃は威力が半端ないので。


寅式とら猛牙爪もうがそう


 三連撃、最初の一撃目だけがわずかに掠り、ダメージエフェクトが派生する。


「初めてダメージ入ったなぁ!」

「……」


 スキルにはなってないから微々たるものだけど。

刀の正式名称(コピー元の名前)は

晴天流転・大地

晴天流転・海原


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