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瑠璃の輝き。  作者: イヌ汰郎
第一章:今のための過去のお話
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再会と再開

「…そろそろ時間だな」

「うむ!待ちくたびれたぞ…して町に強者はいるのか?」

「一番戦力になる【氷神】は居ない。その他は…【平原最強】は居るが…アレにこの数を対応するすべはない」

「………つまらなそうだな、シセラ様も人が悪い。残らせてくれた方が【浮沈漢】と殺りあえたものを」

「何を考えているのやら…30分前だ、準備を」

「とっくに出来ているわ……誰か出てきたぞ」

「なに?……あれは…」


『熾セ劫火・ヒノトリ』


 ――――――――――


 ゼベルの名前を呼んだ直後、影から彼は現れた。

 その場にいた全員が止まり、突如乱入してきた男の方を見ている。


「…私を姉と呼ぶ者は…ゼベル…ゼベル様?」

『ゼベル…?』

「ほう、兄上も居たのか。しかし兄上も義妹上も流石だ、気づかないと思っていたのだがな」

「なぜ生きて…あれから幾年が過ぎたと…」

「今の我の身は人にあらず…不死へと……まぁそれは置いておこう、してお前は何をしている?」

「ゼベル様の知るようなことでは」

「何をしようとしているかは知っている、そのうえで聞いている。一体、何をしているのだ?」

「……」

「自国の土地を取り戻すためなら他国の民を犠牲にしてもいいとでも?我が父上(皇帝陛下)はそのようなことはしないお方だ。世を統べたのも戦争を終わらせる為だ、『敵も味方も人的被害は最小限』うわ言のように常に言い聞かされていたはずだが、それすら忘れたとは言わせないぞ」

「私は…」

「黙れ…ふむ?兄上、義姉上に何をした?」

『何を…?』

「どうやって蘇らせたのかは知らないが……気づいてないのか。まぁいい」


 ゼベルはゆっくりと歩きだした、シセラの方からテセルの方へと歩き出し目の前で止まる。

 パン、と手を叩いて告げる。


「我は父上の教えを守る、人の世をより良いものにし、無用な殺生を許す訳にも行かない」

「……」

「よってこの行いを看過するわけにもいかない…が、人の世は人によって正されるべきだ。我は既に人の道を外れた身…ルリよ、義姉上を…シセラを頼めるな?」

「…言われなくてもそのつもりだよ」

「うむ、やはり我が見初めた者だ。ふむ…ルリよ、斧が手に馴染まないようだな?」

「ご明察…そっか見れるんだっけ」

「かなり制限があるがな…ある程度なら見繕えるが…得意はなんだ?」

「武器?…刀、出来れば二本」

「二本か…ほれ」


 ゼベルが手をかざす、すると黒い渦のようなものが現れ、その中から刀を取り出した。


刀・地(模造)

 大地を割る逸話のある、天津晴天将(あまつせいてんしょう)の刀の模造品、特殊な力により複製された刀で本来の力には及ばないものの武具として優れた性能をしている。

刀・海(模造)

 大海を切り拓く逸話のある、天津晴天将の刀の模造品…(以下略)


「…模造品?」

「ああ、模造品だな。本物は既に失われているが」


 それにしてもシンプルな名前だ、名前と読んでいいのか分からないが刀・地とか海て。

 刀を受け取る。軽く振ってみたが振りやすく良い物…だと思う。

 ゲーム内での善し悪しなんて分からないな。


「さてと」


 ゼベルが再び手をかざす。

 夏将軍が影に吸い込まれ、私の前に吐き出された。


「ぐげぇ」

「積もる話もあるのでな、こちらは私が相手をする」


 ゼベルがこちらに背を向け四つ足戦車...もといテセルの方へ歩き出した。ゼベルの背後から先程の影のような渦が現れ通路を覆いつくし2人の姿が見えなくなる。

 まぁあちらは任せておいて大丈夫だろう。多分。


「通れなくなっちまった...」

「だねぇ...おとなしくプランBにしよっか」

「......?プランBなんかあったっけ」

「シセラをぶっ飛ばす、それでも目的は達成でしょ?」

「んー...だな、どうせ通れなさそうだし」

「舐められたものです。得物が変わった程度で何が変わるとでも…ッ!」

酉式とり翽切り(はばきり)


 一閃…いや二閃か?V字の様に切り返す技で近づいてきたシセラの槍を弾く。

 何かのスキルではない”リアル技術”だ。この世界、ただ武器を振るだけ…所謂”通常攻撃”でダメージを与えるにはその武器に適した職に就いている必要がある。極論口に刀を加えても職に就いていればダメージは期待できる。

  要するにリアル技術で何かをしても職に就いていなければ対して意味は無い…が。


「下級職『侍』。就職条件が刀の装備だけなのは確認済み」


 逆に言えば適した職にさえ就いていればダメージは通るということ。

 そして、侍は刀を装備さえすれば就職可能で私の職業には空きがあるので自動的に就くことが出来る。

 私の準備は出来た、夏将軍も問題ないだろう。となればあと一人。


「夏将軍少し頼んだ。話をつけてくる」

「任せろ。『盾天鎧装・ザラダン』」


 夏将軍が何の変哲もない小盾を装着した左手を右手に打ち付けながら宣誓した。

 盾が光り可変し、そして煙が噴き出し夏将軍の姿が見えなくなる。

 直後シセラが飛び出し槍を構えながら煙の中に突っ込んでいった。


「変身中は攻撃しないのがお約束なんだがな」

「…少々厄介だと感じたもので」


 煙が晴れると夏将軍が体の各部を鎧で覆い左手の先ほどより一回り大きい盾で槍を防いでいた。

 

「手短にな」

「ありがと」


 シセラに背を向ける。兄と前にこのゲームの話をしたときに話していた親友は多分夏将軍のことだろう。兄が『変態的装備だが頼れる奴』と言っていた。

 アレでも人を見る目はあるので任せろと言ったのなら任せられる。


「さてと、エリス。聞きたいことがある」

「…ワタシですか?」


 ずっと聞きたいことがあった。

 成り行きで一緒に行動して、過去の事を知って、ユカリから話を聞いて、今までの様子を見て。


「エリスは何がしたい?」

【ヒノトリ】双幻鶴の真名

【ザラダン】要塞王亀の真名

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